青春というあおが、サイダーのように弾ける秀作です

佐藤と佐藤。
一番目と二番目。

学校生活において、見た目や運動神経の良い生徒は一際輝いてみえるだろう。
この物語で出てくる一番目の佐藤は、まさしくそんな生徒だった。

しかし、この物語の主人公は二番目の佐藤だ。
身長が低く、目立つこともないひっそりとした生徒。

そんな彼が、一人の女子生徒と恋仲になったことで、さまざまな変化を遂げていく。
彼自身だけでなく、彼の周囲の環境さえも。

いつだって人は、一人で生きてはいないのだと、そう語りかけられているかのような物語でした。
二人の青春が弾ける水の中に、誰かの青春もまた浮かんでいる。

サイダーのような爽快感と、スッキリとした後味の物語。
ぜひご一読を。

こちらの心までギュッとさせられる、素敵な作品でした。

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