二番と呼ばれた少年の物語

主人公の佐藤一は同姓同名の自分よりも明らかにスペックの高い佐藤一が同級生におり、「二番」と呼ばれていた。主人公一の生い立ちが、ラブコメにはあり得ないくらい不幸で、珍しい。両親を交通事故でなくして、妹の呼吸器を外して安楽死させたなんて、本当に不幸だな。それでも、グレたりはせず、叔父さんの教えを守って、真面目に生きているのが偉い。ラブコメの主人公にはありえないほど経済的にも精神的にも自立していて、それが珍しかった。
ヒロインの南野千夏の家庭環境も複雑で、父親が愛人と子供をこさえている。父親にそういう問題があることが、千夏を一に接近させたのだろうな。
もう一人の「一番」の一とライバル関係になったり、対立したりするのかなと思っていたら、そんなこともなく、もう一人の一が良い奴なのが意外だった。もう一人の一を嫌な奴にするまでもなく、主人公の一の生い立ちが充分マイナスになっているから、それで良かったんだろうな。

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