【台本】ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.5 棚町薫編

監修・高山箕犀、田沢大典(シナリオ工房・月光)/ミミクル

第1話 タイケツ【ASMR】/薫と話していたら田中さんがやって来た

○輝日東高校・校内・教室内・昼休み

   SE 昼休みの教室(あちこちで話し声とか)


「ね~え♥」


   #薫、ふーっと耳に息をふきかける。


「あはははっ! ビックリした? っていうかしたよね。そのリアクションみれば分かるって!」


恵子

「ふたりはいつも仲がいいねー」


「違うわよ恵子」


恵子

「違うの?」


「どっちかっていうと、やってて面白いから」


   #主人公が抗議するも。


「あーはいはい、そんなに怒らないの。ちょっとした遊び心じゃない。」

「昼休みのまったりとした時間、そんなにカッカしたらもったいないわよ。」

「あ、いま寒い時期だし、カッカするぐらいでちょうどいいのか。」


   #主人公が口から先に生まれた女、と言ったので。


「……その言葉、そっくりそのまま返すわ。」

「口から先に生まれたのはあんたのほうよ!」


恵子

「あはは……そうやってポンポン言い合えるのが。」

「仲がいいなによりの証拠だと思うんだけど。」


「そんなもんかしら。」


恵子

「でもビックリだよね~。まさかふたりが付き合うなんて。」


「付き合うっていうか、まぁ、なんとなく?」


恵子

「薫~、彼、すごく悲しそうな顔してるよ?」


「いーのいーの、こいつはそういう顔させといて。」


恵子

「本当に変わらないね……ふふっ。」


「なによ急に思い出し笑いなんて。」


恵子

「そういえば、耳たぶかじられてたな~って。」


「あぁ、あれはおいしそうだったから、つい。」


恵子

「あはは……つい、で噛まれちゃうのは大変だよね。」


「でもなかなかの噛み心地だったわよ。恵子もやってみる? なんてね~。」


恵子

「いいの? やるやる。」


「え……意外と乗り気ね。」


   #恵子、薫を煽るように。


恵子

「あ、でも~、薫が嫌だったらやめるけど?」

「さすがに友達の彼氏だからね。」


「は? 別にそんなことないけど? むしろぜひやって欲しいぐらいだわ。」


恵子

「ホント? それじゃあ遠慮なく。」


「え、ちょっと恵子……?」


恵子

「ねぇ♥」


   #主人公、思わず照れてリアクション。


恵子

「あはっ、なんだか恥ずかしいね。」


「……あんた、ちょ~っと喜びすぎじゃない?」


「《そんなことない?》どーだか。」


恵子

「続けるね。えっと……どう? こそばゆい?」

「大丈夫かな……あ、なんか、いい匂いするかも。」


「(イライラ)…………」


恵子

「なんだか、耳たぶ噛みたくなってきた……それじゃ、いくよ……」


「はーいストーップ!」


   #薫、恵子を引っ張って主人公から引き剥がす。


恵子

「えー? まだ噛んでないよ?」


「おしまい! これ以上はなし!」


恵子

「わかったよ~。ちょっと残念だけど」


「ちょっと、あんたも残念そうな顔しない!」


   #足音させながら背後に回り込む薫。


「まったく……いくらなんでもやりすぎよ、恵子は。」


恵子

「ごめんごめん……って、なんで後ろに回り込んでるの?」


「動かないで。」


   #薫、主人公を抱きしめる(衣擦れの音)


恵子

「! いきなりのハグ……」



「こら、暴れない!」

「これはその……なんかこう、彼女としてのアレっぽいやつよ! 察しなさい!」

「あむっ。」


   #薫、主人公の耳たぶをあまがみ。

   #主人公が驚いて立ち上がる。椅子を引く音。



《第2話へ続く》


★mimicle(ミミクル)にて配信中★

『ASMRボイスドラマ アマガミ Vol.5 棚町薫編』(CV・佐藤利奈、CV・門脇舞以、CV・今野宏美、CV・阿澄佳奈)

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