第10話 神?からの贈り物



素晴らしい!素晴らしすぎるぞ!!



平民街の下水道にある隠し部屋で

ルドルフはシクの視界を見ていた。


しかしゲドの首をもぎ取った瞬間、

視界は乱れて見えなくなった…


まあいい…まさかあのスライムに喰われて

ゲドを殺してしまうとは!

久しぶりに予想を裏切ったな!


クク…次のコマがいらなくなった。


しかしあれは危険だな笑

シャクだが

あのくそピエロに、

探してた核を教えてやらねばいかんな。


いや待てよ…少年に意識があるなら…



ルドルフはにやりと笑い

シクの方へと向かうのだった。





「あああ!

待て!シク!話せばがあああああああ!!!」


ひとり またひとりと生命は奪い喰われ

気づけば周りの死体も捕食され

シク1人だけが残った…


シクの中にあるスライムの核は

満足したのか、シクの体内へと戻っていく。


しばらくすると

乗っ取られた意識がシクへと返される。


「ああ…ぁあ…」

しばらく唖然とするシク、、

意識を乗っ取られたとはいえ

わずかに抵抗した自我が、

その惨状を記憶していた。


どうなってる?

自分は…ヒトなのか?

奴隷紋は消えている?

身体が再生してる?

訳がわからず呆然としているシクに

1人の男が近づいてくる。


そう無表情の男だ。

今は満面の笑みでシクを見つめている。


「自我を取り戻したようだな。

いやはや素晴らしかった!」


「…これは一体なにが起こった?」

シクはルドルフに問いかける。


「それは俺にもわからない。

ただお前のスキルがやったのは理解できる」


スキル? スキルってあのスキル?

教会で初めて鑑定をしてもらう時に

神?さまから貰えるスキルの事?

その時しかスキルは覚えれないのに

なんでスキルってわかるんだ?



「俺は耐性とは別に

人を看破するスキルも持っていてな、

今、お前にスキルが現れている事に驚いている」


自分にスキル?本当なのか?


「あまり知られてないが、身体の危機や

試練を乗り越えた人間に、神はスキルをくださるそうだ。おれもその1人だ笑」



ルドルフさんにもある?

はは…自分にも、ついにスキル。



「何の神に愛されたかは知らないが笑

お前のスキルは毒にも薬にもなる。

今のままでは死ぬやもしれないな」

ルドルフはニヤニヤしていた。


そういえば、さっきから

身体の中にいる奴が動いてる感じがする。

痛みはないが気持ち悪い…

シクは危機を感じた。

「意識や身体がゆうことをきかなかった…」


ルドルフは銀貨とひとつの指輪を見せた。

「これは今回楽しませてもらった礼だ。

銀貨1枚とボーナスってところだな。」


「その指輪は?」


ルドルフがシクの手に

銀貨1枚と赤い目のついた黒い指輪を渡す。


「お前の中にあるを抑える効果がある。正確には干渉を防ぐ効果だ。

さらに自分を鑑定する事もできる。」


そんな高価な指輪をもらえる?


シクは銀貨を靴に入れると

手の中にある

禍々しい指輪を怪しんだ。


「その指輪に対象を看破する力まではないが、、

もう一度言うぞ?

奴をおさえ、自分を鑑定し異常を確認できる。

お前には必要な指輪だと思うがな」


シクにとっては、ありがたい効果だ。


でもなんだかつけるのが怖い気がする。


シクははめようか迷いつつ

右手の手の平にある指輪を、

左手の指先でさわっていた。


すると指輪は左手の人差し指に吸いつき

指輪の奥深くに食い込んだ。


え?

勝手に指輪が!



とれないとれないとれないとれない!


ルドルフは大笑いをする!

「安心しろ。効果に嘘はない。ただ…」




急激にシクの背中に痛みが走る!




がぁあああああああ!!!



背中の奴隷紋はすでに消えていたが

再び新たな奴隷紋が刻まれる!


その奴隷紋は黒い目の形をしていた。


「ようこそ!黒き制裁へ!

俺はお前を歓迎しよう!」


背中の痛みがおさまると

シクは騙された事にあせる…


「だましたな…」


ルドルフはニヤつく

「お前はその指輪のおかげで

これからも自我をたもてるんだ。

奴隷など安いものだろ笑」



「また1日奴隷をするのか?」

シクはルドルフに問いかける。




突如、ルドルフはシクを殴る!



「お前は黒き制裁という組織の

庇護をうけたのだ。

その組織は黒き魔女アリア様による組織だ。

そこらの奴隷や、

I日奴隷などというものと一緒にするな。」


黒き魔女!?

国王をささえている魔女の事じゃないか!


シクは驚きつつも悲観した。


それでも奴隷は変わらないが、。。


やっぱりなんかムカつくな。

シクはルドルフを睨みつけた



その反応にルドルフは

シクの髪を掴み、

手前に引きながらシクの顔近くで話しかける。

「よく聞け、強制的に依頼はうけてもらうが

報酬もあり、1日とゆう制限はしない。

依頼がくるまでは自由だ!」


自由にできる…


「おまえの中にいる奴のせいで

何故か監視はできないが、

これからも頭の中では指示をさせてもらう」


監視されないのは救われた…


「いいか?

お前は鑑定の力や黒きチカラを

手に入れたんだ。貧民街の奴隷がだぞ?」


「自分を鑑定してみろ。

教会と同じく、初鑑定には

今あるチカラとは別に、

神?という存在から新しいスキルをもらえ、

俺に感謝する事になる」


本当に鑑定できる?

それなら教会にいく必要もない。。


「身分証も俺が用意してやる。

これは特例だ!俺に気に入られた事を喜べ」


ルドルフはシクの髪の毛をはなした。


シクはなんともいえない顔をする

貧民街の生活で騙される事など

いっぱいあった。

それに比べれば

騙されたとはいえ、

ルドルフのくれた力は助かる。

もう貧民街の生活には戻りたくない。。



間接的とはいえ

ゲドさんや仲間を殺してしまったんだ…

覚悟を決めたはずだ。


シクは問う

「どうすれば鑑定を使える…?」


再びルドルフは笑い

「ステータスと唱えてみろ」

とシクに答えた。


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