第11話 感情は魔法とともに…








「こんな貧民街でイキイキとした目を

してるやつは、死神背負っておかしくなったか

変なことを企んでる奴ぐらいだろうよ。」








「死にに行く奴にコインは必要だ笑」







「頼む…助けてくれ…」








「近くには俺の生まれた村があってな、

捕まってここにきたんだが…

今さら村なんかにゃ興味ねえし、ここで頭はってた方がおもしろかったが、そんな事言ってられねえし、そこの自警団にみんなで入れてもらうつもりだ!お前も頼んでやるよ!」







「…貰えるスキルがなくてもよ、経験と鍛錬で、カバーはできるんだぜ!」








「銅貨は餞別だ…シク。ゆっくりと休め」










「あああ!

待て!シク!話せばがあああああああ!!!」











とある宿屋に眠るシク。

目を閉じれば、いろんな事を思い出す。



自分はゲドさんや仲間達を殺してしまったんだ…





覚悟を決めたはずなのに…






シクは、

奴隷紋の力や魔物の力によって

感情や意識を変られ



人と初めて殺し合いをし



人を初めて殺した。



生き抜く為に必死だった少年は

必死に生き抜いたからこそ

最低限の道徳という心を封印してきたのだ。



久しぶりに眠る宿屋のベッドは

とても暖かく、安心を提供してくれた。




少年は、今になって

他人とはいえ仲間達やゲドを殺した感情に

眠れる事ができないのだった…





「もう一度確認しておこう。」


どうにも眠れないシクは、

すがるように魔法を唱える






「ステータス」




すると

さっきまで悩まされていた感情は、

何処か隅っこへと移動し

別の何かが、頭の中の意識に入り込んできた。




名前  シク

年齢  15

種族  人間


所持品

シャツ ズボン 靴

銀貨1枚 銅貨1枚


職業  シーフ lv1

(スキル)

暗視 lv1

探索 lv1

投擲 lv1

(エクストラスキル)

融合

(奴隷スキル)

黒きチカラ

(???スキル)

紫の核




初めてステータスと言葉を発した時は

驚いた。

頭の中のもやもやが

スッキリして、冷静になれたんだ。


今もこの魔法で、

複雑な感情から逃げている。



ずっとこの状態でいるのは

脳がダメになるとルドルフさんが

言っていたから、多用は禁物らしい。




神?さまから初鑑定でもらえたスキルは、


なんてゆうか…懐かしい感じがした。

ずっと、忘れていた記憶を思い出す様な感覚。


今までスキルを持ってなかったはずなのに

持っていたのを忘れていたかの様な…



不思議だ。



環境も影響されるらしいが

関係ないスキルもあったりと

不明な点も多い。



神?さまの気まぐれ?なのかな。



レベルは最高で10

そんなに簡単にはあがらないみたい


でも、さすがはスキル!


この(投擲)とか、やった事ないのに

ためしに石を拾ってなげてみたら


前までの感覚よりも

研ぎ澄まされた感覚で

集中して投げれた。


まるで魔法みたいだった。


もちろんコントロールなんかも

信じられないほどうまく投げれた。




スキルがある人とない人の

大きな差がすごく理解できた。




(暗視)も意識して切り替えると

前より暗い所が見えやすくなって便利だし

lv10までいったら昼間になるんじゃないかと思ってしまう。




(探索)は前にくらべて 

いろんなところに目がいった。


集中しててもわからないものは、

わからないけど

探索を意識して使うと、

わからないものの中に

何か気になる所が発見できる不思議な感覚だ。




次にエクストラスキル

ルドルフさんが言ってた

もらえるスキルらしい。

ルドルフさんいわく、持ってる人はほとんどいないって言っていた。


詳しく聞いた話によると、


普通の人は、初鑑定でもらったスキルや

職業を極めていくのであって

新たにスキルを手に入れる事は

無いのだという。



まれに試練や危機などで得たスキルが

エクストラスキル。



神?様から寵愛されたスキルらしく

その力は未だに不明な所が多く

誰もが持っているわけではない。



自分は融合ってスキルをもらったけど…

かなり危険なスキルみたいだ






シクは融合の詳細に意識をむける






(融合)

本人の意思とは関係なく稀に発動。

触れる事で相手のスキルを奪い

自分の力に融合させる事がある。

まれにスキルではなく、

自分の力に融合させる事がある。


奪ったスキルは、力として融合され

奪ったままのスキルとして覚える。

または元々あったスキルと統合する事がある。

奪った核の融合は体内に融合され

支配下におけば、力を使う事ができる。

または元々あった核と統合する事がある。





やっぱり怖いスキルだ。

ルドルフさんも、あまり近くによるなとか

言ってたな。


最初はスキルが増える!って喜んだけど

奪うって事が冷静に考えると恐ろしい。


もし人間からメインに使うスキルを

奪ってしまえば、

その人間は重要なスキルがなくなり

価値がなくなるという事。


自分はスキルが無い状態で生きてきたから

わかる。

奪われた人間は、

身分証があったとしても

元の職や、新たに良い職には

つけないだろう。

その相手に家族がいたとしたら

自分のせいでその家族の人生を壊してしまう。しかも触れてしまって

偶然に奪ってしまえば返せない。


貧民街の住人よりはマシだし

職につけるだけいいのだけど、

いろいろと考えてしまう。

あまり気持ちのいいもんではないな。


人に触れる事に気をつけなければ

いけない。最悪、バレたら死刑だ。


死体とかならいいのかな…

看破持ちは少なそうだし

バレにくいかも…

例えば魔物がいる外に死体があったとしたら






死体…






今さらか。




もう人を殺したんだった。


偽善者ぶるのはよそう。

自分が捕まらない事が大事だ。

人様を考えれる立場でもないだろう。



思い出せ 腹が減り続けて死にそうなった日を。


平民から見下され 貧民から騙され


心身ともにボロボロにされた日を。


捕まらない様にコソコソと必死に生きてきた

自分を。



裏切ったり裏切られたりする事になれた日を。



人を殺した日を。








あぶないあぶない。

ステータスの魔法をしてるのに。

冷静な考えのまま

おかしい方向へといってしまった。







仕切り直しだ。

融合による核を奪う?って説明。

これの方が危ない。


魔物の核がこれ以上 

自分に入ってきたら…

って思うと危険すぎるスキルだと思う。


意識は刈り取られ

何者でもない危険な存在となる。


最悪、

人ではない状態で命がなくなるかも。



今は指輪で抑えてるみたいだけど

指輪がなかったり、これ以上核が増え続けたら

どうなるんだ?


何か対策を考えなければならない…






対策といえば

次の呪われた奴隷スキル。


指輪の呪縛によってもらえたスキルだ。


外れないし、

奴隷紋ついたし、

解除できない。

核を抑える為

騙されてつけた

指輪によって追加されたスキル。


まだ、納得はできていないけど…



シクは黒きチカラの詳細に意識する。



(黒きチカラ)

黒の魔女の力によって

様々な恩恵がもらえる。

この指輪には 

自分のみを鑑定できる力と

魔女の力の干渉により

一般的な呪いなど。

を抑制する力がある。

黒の魔法が使える。

黒い拘束の魔法が使える。

また魔女の命令により

強き意思が与えられ

命令状態の時は、多少無理をしても

身体が動き、実行意識も強くなる。

装備すると呪いにより魔女の奴隷となる。

解除されない限り外すことはできない。


気になる点が多すぎる。

黒の魔女の力って、かなりやばい。

王国を影で支えてる魔女の力が使えるのは

あまり人前で見せないほうが良さそうだ。

めんどくさい事になりそう。

使うなら誰にも見られてない所かな。


文字から見ると拘束系の魔法だ。

便利そうだけど、

魔法は、あまり素質ないのかもしれない。


意識した場所に、小さな影の手が多数現れて

すぐ消えてしまった。



…あとは魔女の干渉。


干渉によって

今は、スライムを抑えてくれてるみたいだけど

看破も干渉だから

魔女の部下であるルドルフさん

とか以外なら防いでくれそう。


一般的な呪いを防ぐって

黒の制裁の奴隷魔法(魔女の指示)ルドルフさん達以外の呪いってことなのかな。

奴隷魔法は基本呪いだし。


魔女の奴隷か…

もうどうすればよいのやら。

仮に外す事が可能であったとしても、

外せばスライムに喰われるだろう。





とりあえずは今は抑えてくれてるだけで

よしとしよう…

納得はやっぱりできないけど…







…強き意思。

これは、ゲドさんと殺し合いをした時の

強制意思と同じ。

命令に背けば

命令を実行する為の意識へと

変えられる。

身体が無茶しても動くって所も、

意識が戻れば、身体はボロボロ。


あまり使いたくない。


できれば、命令されたとしても

自分の意思で行動したい。



魔女の命令ってのも気になるけど

ルドルフさんの命令も

黒の魔女の命令になるんだろうな、、

ルドルフさんも手下なわけだし。




命があるだけましなのかな…






最後の???スキルに

シクは意識を集中させる…







ジ…








ジジジ…








意識に一瞬歪みができる。








(紫の核)

シクを■少しづつ食べよ■うとしている。

現在、魔女の■干渉■により

■抑え■られ■ている。が

暴食■状態に■なると

捕食により■シクの身体を再■生させる。

毒に■耐性が■あり毒■を放■出できる。■






所々■が邪魔してるが、

シクは何とか詳細に集中し理解する。



説明の文章は核の現状を表している様だ。

今後変わる可能性もあるかもしれない。







としているか…





これがルドルフさんが言ってた

毒にも薬にもの毒だな。



抑えられてなかったら、本当どうなってたか

もはや魔物になるのかな…





毒■は少しだけ使えた。


抑えてるおかげか、

少しは支配してると思いたい。


スライムがやってた

すごいのはできないけど、、

手のひらに、

紫色の汗の様な毒は

ある程度、出せた。


使いにくそうだけど、

相手に触れる事ができれば、

効果はありそう。


石に毒をつけて投げてもいいかも。

うまくいけば、毒や腐食などで相手を倒せる。



毒■に■耐性はうれしいかな、


暗殺されたりする心配が減りそう。


黒の制裁の奴隷になったけど

暗殺されないとも限らないし。





再■生に関しては、

すごい。

これのおかげでゲドさんの時は助かった。

死ぬ寸前だったから。


だけど意識が乗っ取られるのはな…

暴食■状態って またやってくる事があるとか?

うーん。




ざっと整理するとこんな所だな。




あと服はルドルフさんが

付き添って宿屋で頼んでくれた。


顔を隠して頼んでたけど

やっぱりおおやけには

一緒にいるのはまずいみたいだ。


さすがに服がやぶけて

奴隷紋が丸見えだったから

ルドルフさんの持ってた布で隠してたけど

紹介された宿の店主さんは

何事だと驚いていたな。

お金を渡すと

何も聞かずに用意してくれた。



ルドルフさんとはあれ以来

「また連絡する。」

とか言われて、会ってないし。

身分証とかどうなるんだろ?

ここに送るとか言ってたけど。


まあしばらくは、

ルドルフさんの紹介で

ここの宿屋が無料なのは正直助かった。



身分証さえもらえれば

冒険者ギルドって所で仕事するのもいいな…




なんかいろいろとうまくいってるような

いってないような…




なんだか魔法使っていると

疲れてくる。。














覚悟か…













少年はいつのまにか眠りについていた…

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