第3話 封鎖
奴隷商人を探すつもりで必死に貯めた銅貨2枚を失ってしまった。
答えの見えない自分にイラつきながらも、
こんな状況ではいつ自分が病にかかるかもわからないと内心ビクビクしていた。
今の所、大丈夫そうかな…
その後、シクは謎の病気もそのうちおさまると
無理やり自分を落ち着けた。
「もしかしたら、そのうち奴隷商人が気まぐれに現れるかもしれない」
そうシクは自分に言い聞かしながら
有益な情報を探したり、
ゲドの仕事やゴミ漁り。
貧民街の掲示板を見ては
仕事を探すなど必死に生きながらえていた。
ある夜…街の酒場の閉店後を狙い
ゴミを漁りに行こうと思った時、
貧民街から平民街への入り口あたりで、
衛兵が何やら口に布を巻いて
こちらを睨んで立っていた。
「おい!お前!貧民街から平民街へは行けんぞ!こっちに近づくな!」
シクは衛兵に槍を向けられる。
「貧民街から平民街へ行けないとはどうゆう事なんであります?貴族街までは貧民であろうと
関係なくいけるであります。」
シクはあまり丁寧な言葉は
教えてもらう事が少なかった為
緊張とあいなって
衛兵とうまくしゃべれなかった。
この辺りの衛兵は平民出身の衛兵が多い。
平民の衛兵と言っても
平民と貴族の間になる階級だから
下手にしゃべると処罰の対象になりかねない。
平民街の住民はみんな身分証を持っている。
身分証がある事が平民の証明みたいなもんで
身分証がない貧民との間には大きな差があるから衛兵なんかは特に注意が必要だ。
借金や犯罪で身分証がなくなる
平民もいるけどね、
ゲドはその辺の所を衛兵とうまくやっていたみたいだけど、衛兵に睨まれてしまっては
しゃべる他なかった。
「気持ち悪い奴め!貧民街では謎の疫病が流行っている。平民街への出入口は原因がわかるまで封鎖だ!」
これはまずい。封鎖されては
平民街から貧困街への仕事がなくなり
貧民街はさらに貧しくなる。
ゲドはどうするのだろう?
今はゲドどころではなかった、
今後の生活も考えなくてはいけない。
疫病がここまでくると
我が身が心配だ。
シクがいる場所は
貧民街から平民街、
そして貴族街から城へと
外側から城を中心に高い壁が円状に
分けられている。
疫病が怖いから
いっそ外へと逃げようかなと
思ったけど、、
外への出入口は平民街からでしか
出ることはできない。
外への出入口は身分証も必要になるし
外にはモンスターなんかもいて
スキルを持たない自分には無謀かもしれない。
罪をおかして
犯罪奴隷か追放も考えた。
でも追放ではなく死刑の可能性もある。
所詮、身分証がない貧民程度の罪の重さは
衛兵の気分しだい。
まじめな衛兵もいれば
賄賂など、悪色に染まる衛兵もいる。
そもそも貧民にお金などないし
封鎖の状況では
貧民街の中に衛兵も
疫病を恐れて
いないかもしれない。
貧民街に治安も何もないけど
衛兵がいないとなると
変なやつもでてきそうだ…
今は大人しく下水道に帰り
ゲドの様子を見に行こう。
もしかしたら下水道から
平民街や外への抜け道があるかもしれない。
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