受け入れると言うこと。

穏やかな物語でした。
この中で起きていることはとてもつらいことのはずなのに、悲しくなり過ぎず、穏やかな気持ちで読むことができました。
それは主人公の落ち着いた性格のせいなのか、ヒロインの『けったいな性格』のせいなのか、或いはただの雑種なのに妙に賢い世渡り上手な犬のおかげなのか。

つらい出来事を受け入れていく主人公は前向きで、哀愁と一緒に胸の高鳴りを感じました。
夏の散歩は夜にするとよい。
夏の終わりに秋の足音を聞くような、そんな時間の流れの緩やかさを感じることのできるお話でした。

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