読み進める内に引き込まれていく、シチュエーション&スプラッターホラー。

 時代の遺物とも言うべき廃刑務所が存在する忌まわしい島を舞台に、過去と現在が交錯しながら綴られていくスプラッターホラーでした。
 作者持ち味のキャラクター同士の軽妙な会話劇はもちろん、段々と歴史の暗部に迫っていくような描写に、往年のスラッシャー、スプラッターホラー洋画を思い起こさせるような亡霊たちの血みどろな活躍、大昔の廃刑務所という特異な建物を舞台にしているにもかかわらず、情景が浮かんでくる建築美術描写に、クライマックスは壮大なクリーチャーまで出てくるという、ありとあらゆるものが詰め込まれた――ホラーとして――楽しい作品でした。途中、VSプレデターを感じさせる台詞もあり、面白かったです。ぜひ、読んでみてください。

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