日本の代表的な国民食と言っても過言ではないカレー。とは言っても嫌いな人もいるわけでその理由も様々。
カレーを毛嫌いし、ぼっちな彼女の名前は『湖南チナミ』ぼっちとして今日も陽キャを見張る業務に勤しんでいると、突如現れた転校生でありながら一瞬でカースト上位に上り詰めた『九重マリ』に話し掛けられる。
どこかカレーの香りを纏うマリの誕生会に、なぜか参加することになったチナミに襲い掛かるカレー闇鍋の恐怖。
ぼっちであるチナミの陽キャに対するセリフが毒づいているのだけども、センスが鋭すぎて笑いに昇華されているワードの数々に終始笑ってしまいました。
更にチナミとマリの掛け合いがとても面白くてグイグイ引き込まれ、そして途中「ん?」となって想像にもしない展開に最後まで目が離せなくなり、気付けば不思議なカレーの攻防に巻き込まれていました。
カレーに鯖を入れる鯖とカレー。鯖は味噌煮を使うと鯖の旨味を損なわず美味しく出来る。そんな知識も得られる本作を是非読んで頂きたいです!!
読み終えたあと、サバとカレーが食べたくなるかならないかはあなた次第!!
語り手の独特な「ぼっちセンス」が面白い!
ひねくれてるのを通り越して、ここまでくると一周回ってぼっちちゃんが可愛く見えてくるから不思議です。いわゆる一つの小動物的な可愛さというか。
そんな彼女を陽キャラの領域へ引きずり込まんと送り込まれた刺客も、強烈なキャラを持っており魅力的です。
陽キャラは闇鍋パーティーに何を入れるのか?
むしろ陽キャラに徹底抗戦を挑むぼっちとしては、何を入れるべきなのか?
個性的すぎるこだわりを持った者同士で行われる聖なる夜の闇鍋カレーパーティー。カレー嫌いのぼっちは果たして勝機を見出すことができるのか!?
ノリの良さと、独自の世界観なら誰にも負けません。
笑える話をお探しであれば、是非!
主人公チナミは読書が好きで人付き合いが嫌いな女子高生。そんな彼女はクラスでも最上級の陽キャマリに誕生日会に誘われる。そこで待ち受けていたのはJK二人の熱いバトル!?
この物語の一番の魅力は、語り手チナミの巧みな言葉選びです。自分の強がりに突っ込んだり相手を絶妙なワードでディスったり。それに相まってストーリー展開のテンポが良くて、つい一気読みしてしまいました。
最後に残るほんわかとした温かな気持ちは、教室でカレーを食べた後の残り香に似ています。多分。
ああ、お腹空いた。カレー食べたい。サバカレー、美味いよね。私も好き。
ほっこりしたいときにおすすめの物語、ここにあり!
一人称でつづられた、主人公の内面描写が秀逸です。
そもそもなんでこんな個性的な一人称になったかといえば、主人公の女の子は、かなり独特の性格というか、教室でひとりぼっちで本を読んでいても平気と言いますか、独自の価値観で生きています。
それを説明することなく、描写としてやるなら、この一人称が最適でしょう。
さて物語の内容ですが、主人公の女の子は、陽キャラの人たちとは違う世界に住んでいました。
かといって、彼らを羨むとか妬むわけではなく、棲み分けこそ大切であると考えていました。
しかしそんなある日、ちょっとしたきっかけにより、陽キャラの中心人物の誕生日パーティーに誘われることになります。
いったいなぜこうなった、と主人公の女の子も、また読者もびっくりするわけですよ。
ですが物語を読み進めていくと、ちゃんとした理由がありました。
その理由こそが、作品タイトルにつながるわけです。
なんてミステリ風にレビューしていますが、おそらくこれ物語の真相と作品タイトルの言葉遊びないしダジャレですよね。
さばとかれー。