個性的な一人称の文章と、カレーに対するこだわりが持ち味の小説

 一人称でつづられた、主人公の内面描写が秀逸です。

 そもそもなんでこんな個性的な一人称になったかといえば、主人公の女の子は、かなり独特の性格というか、教室でひとりぼっちで本を読んでいても平気と言いますか、独自の価値観で生きています。

 それを説明することなく、描写としてやるなら、この一人称が最適でしょう。


 さて物語の内容ですが、主人公の女の子は、陽キャラの人たちとは違う世界に住んでいました。

 かといって、彼らを羨むとか妬むわけではなく、棲み分けこそ大切であると考えていました。

 しかしそんなある日、ちょっとしたきっかけにより、陽キャラの中心人物の誕生日パーティーに誘われることになります。

 いったいなぜこうなった、と主人公の女の子も、また読者もびっくりするわけですよ。

 ですが物語を読み進めていくと、ちゃんとした理由がありました。

 その理由こそが、作品タイトルにつながるわけです。

 なんてミステリ風にレビューしていますが、おそらくこれ物語の真相と作品タイトルの言葉遊びないしダジャレですよね。

 さばとかれー。

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