忘却の終着駅

24才、会社員・谷村勇太。残業続きで終電に飛び乗ったものの、うとうとしているうちに見知らぬ駅へと着いていた。
「ほう、人間の来客とは随分と久しいな」
深緑色の駅員服を着こなし不思議な雰囲気を纏う男は、そう行って皮肉げに口許を歪めた。

「ここは“忘れられしもの゛が集う終着駅。あんた誰から忘れられてしまったんだろうな」
現実と異次元の狭間で、勇太は自分の世界に戻るべく、彼の手伝いをしながら、手がかりを探す……。