冥土の土産屋『まほろば堂』の第二作目。本作は短編集の形式で、群像劇的でもある。一作目を拝読しなくても面白いが、一作目からご覧いただくと、さらに面白い。
第一話の主人公は、戦隊もののレッドを務める俳優。イケメン俳優の登竜門である戦隊ものに出ているが、売れるかどうかはまだ不明。そんな彼をある女性が見守っていた。しかし、倉敷市の撮影の時に出会った不思議な少年の言葉に、俳優の男性は心を動かされていくのだが……。
倉敷市にある『まほろば堂』には二つの顔がある。土産物店としての昼の顔と、夜の顔だ。夜のお客様は特別なお客様と決まっている。この店で働いているメイドも、かつては夜の客だった。俳優の男性に声を掛けたのは、この夜の店に関わる少年だった。
果たして、この少年の正体は?
短編集ながら本格ミステリーでもある本作。
途中で作者様からの挑戦状があるのですが、小生はあえなく敗北でした。
癒し系ミステリーで、救いようもない人々を救っていく様は粋です。
あなたは、この謎を解くことはできますか?
現代ファンタジーファンの方だけではなく、ミステリや現代ドラマが好きな方にもお勧めします。
是非、御一読下さい。
倉敷美観地区という、岡山県の美しい観光名所に佇む一軒のお土産屋さん。
お昼は、お土産店であると同時に、地元の名産品を使ったカフェも開いている様子。
しかし、そのお店は、夜になると少し様子が変わります。
ここの店主さんは、真幌さんという、30歳くらいの白い髪が特徴の容姿端麗な男性。
ミステリアスな店主のもとに、お客さんが人生相談にやって来る。
その相談内容は……!?
ネタバレにならないようにここまでしか書きませんが、緻密な設定にも関わらず、読みやすい筆致で分かりやすく、それでいて、ミステリー要素が含まれており、驚きの真相と鮮やかな伏線回収に魅了されるでしょう。
加えて、何と言っても人情温かいのです。
店主さんもそうですが、店員の望美さんも魅力的。
そして、茶目っ気ある猫たちも登場し、物語を彩ります。
ミステリーにヒューマンドラマ、そこに泪(なみだ)味の切ないスパイスを加えた、美しいファンタジーはいかがでしょうか?
ちなみに、祭人さんは、本シリーズを含め2作書籍化を果たされている、確かな作家様です!
読んだら、立ちどころに世界観に浸ること間違いないでしょう!