きっと、誰もが誰かのヒーローだから。

 冥土の土産屋『まほろば堂』の第二作目。本作は短編集の形式で、群像劇的でもある。一作目を拝読しなくても面白いが、一作目からご覧いただくと、さらに面白い。
 第一話の主人公は、戦隊もののレッドを務める俳優。イケメン俳優の登竜門である戦隊ものに出ているが、売れるかどうかはまだ不明。そんな彼をある女性が見守っていた。しかし、倉敷市の撮影の時に出会った不思議な少年の言葉に、俳優の男性は心を動かされていくのだが……。
 倉敷市にある『まほろば堂』には二つの顔がある。土産物店としての昼の顔と、夜の顔だ。夜のお客様は特別なお客様と決まっている。この店で働いているメイドも、かつては夜の客だった。俳優の男性に声を掛けたのは、この夜の店に関わる少年だった。

 果たして、この少年の正体は?
 
 短編集ながら本格ミステリーでもある本作。
 途中で作者様からの挑戦状があるのですが、小生はあえなく敗北でした。
 癒し系ミステリーで、救いようもない人々を救っていく様は粋です。
 あなたは、この謎を解くことはできますか?

 現代ファンタジーファンの方だけではなく、ミステリや現代ドラマが好きな方にもお勧めします。

 是非、御一読下さい。

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