「思いついたって書けやしないお話」にいどむ

――書けるのか、ここから先が。

数話完結形式のエピソードが続いてきた先、終盤エピソード「ラスト・アタック」が始まる、その手前で思ったことです。

趣味だろうと、アマチュアだろうと……小説を書いてしばらくになる人間であれば、「構想したはいいけど、これ自分に書けるんだろうか?」ということはちょっとは考えるようになります。

それはスポーツとか武道とかを始めてちょっと過ぎた後とかと同じ。
できないことはできない。できることはできる。
自分の性能、技量、ポテンシャル、そういうものに対するなんとなくの理解と見切り。

それで、だから。

「書けるのか」と、自分は思いました。なかば畏敬の念を込めて。

どうしてって、そこを読んでいた時点で現に、すでに本編は完結していたからです。
そして、作者の腕前に、そこに来るまでで相応の信頼を寄せていたからです。

峰に挑むように読んでみてください。
はじめは綺麗な山肌を遠目に見ての行楽として、やがては試される物語として。

そして読み終えたなら、読後の感想をレビュー欄で、あるいは冬のお天気でも見てわかちあいましょう。

おすすめです。

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