甘く、残酷なラブストーリー

安是の里の娘は、恋をし発情すると様々な色で身体が発光する。
しかしかすみは歳をとっても光らない。光らない女は女にあらず。
彼女の母は阿古という美しい女であったが、ある日都へと出奔し、かすみを妊娠して里へ戻った時には、狂女と化していた。
赤黒い髪を持ち、狂女を母に持つ光らない女は、里にて「かすのみ」と呼ばれ蔑まれていた。

そんなかすみは、実は暗紫紅色に発光することが出来た。しかしその事を秘密にしていたある日、山の中で敵対している寒田の里の男と恋に落ちる。
愛を育む二人であったが、運命はかすみへと残酷に降りかかり……

重厚な文体で、閉塞感溢れる里で迫害されるかすみの心情、そして光る娘などが丁寧に書かれ、とても読み応えがあります。

是非ご一読を。

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