世界は色づいていく……森も……人も、優しさという大きな犠牲の元に

読了後のレビューです。

物語の始まりはとある森。
主人公は精霊と縁ある少年。
セラという美しい名前、それは物語が秘める儚さや尊厳に満ちた世界へと導く魔法のような響きです。

物語で描かれる温かな家族の繋がりや、彼らが秘める悲しみ……それらが力強く、時には繊細な文章で描かれています。

そして何よりも驚かされるのは、情景や空気、風や海の音が聞こえるような場面の描写力です。
多彩な登場人物達の個性や想いもまた、物語を色々と鮮やかに染めています。


主人公セラが何を思い、何を見ていくのか……命の重みや、【生きていること】その意味に触れることが出来る物語です。

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