読み手を選びますがハマる人はハマる、ガラス細工のように繊細な文芸作品!

 雰囲気が抜群にいいんですよ。もう「万葉集」の世界ですもの。日本史に詳しくない私でも思わず「うっとり」としてしまう美しい世界観です。

 そして、物語の進み方も「意外」とアップテンポでいいんです。まるで「源氏物語」を始めて読んだ時の衝撃に近い「読み味」になります。

 ただ、作者さまには申し訳ないのですが「読む人」を選ぶ一作です。「ライトノベル」を読み慣れた層は、きついかもです。でも「文芸」をこよなく愛す「女子」には大好物な一品であると思います。そう、この作品は「最高に面白い」という人か「つまらない」という人の両極端の評価しかない作品なんですよ。

 でも「この手」の「文芸」作品が好きな「私」みたいな人は、100点では収まらない「点数」をつける作品です。特に11章のですねって、ネタバレはダメですね。とにかくですね。「詩(うた)」と共に語られる「本格的な文芸」作品なんです。特に「人間の心」の動きの機微が「とても繊細」に描かれていて、まるで繊細なガラス細工を見ているような気分になる小説です。

 ということで「文芸」が好きな皆様、是非「この美しい」文芸の世界に身を投じてみませんか?絶対に後悔はさせませんから!

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