よく作りこまれたキャラクターと世界観が魅力的!

天人地姫(てんじんちぎ)ミストリア。

彼女がどんな人物なのかというと、本文から引用すると次のとおりです。

「両軍の弓矢と魔法を無力化し、尚もその力の片鱗すらも見せない超常の存在。神代と人代に楔を打つ半神半人の巫姫」

ようするに、めちゃくちゃ強い超人です。

それが事実であることは、第一章でシュウシンカン帝国とハナラカシア王国の軍事演習の相手が、ミストリアたったひとりだったことからも自明です。

そんなミストリアの幼なじみが、レイネリア。この女性が主人公です。

本作は権謀術数が渦巻くなか、このふたりを中心に物語が進んでいく伝奇ファンタジー小説ですが、世界観が丹念に作りこまれているため、そうした設定に浸るだけでも楽しめる作品だと思います。

主要登場人物に天気に由来する愛称がつけられていたり、古い時代の中国やインド、日本などの国名、地域名、人物名を由来とする国やキャラクターたちが出てきたりするので、元ネタがなんなのかを想像しながら読み進めていくのもまた一興でしょう。

おすすめです!

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