天人地姫(てんじんちぎ)ミストリア。
彼女がどんな人物なのかというと、本文から引用すると次のとおりです。
「両軍の弓矢と魔法を無力化し、尚もその力の片鱗すらも見せない超常の存在。神代と人代に楔を打つ半神半人の巫姫」
ようするに、めちゃくちゃ強い超人です。
それが事実であることは、第一章でシュウシンカン帝国とハナラカシア王国の軍事演習の相手が、ミストリアたったひとりだったことからも自明です。
そんなミストリアの幼なじみが、レイネリア。この女性が主人公です。
本作は権謀術数が渦巻くなか、このふたりを中心に物語が進んでいく伝奇ファンタジー小説ですが、世界観が丹念に作りこまれているため、そうした設定に浸るだけでも楽しめる作品だと思います。
主要登場人物に天気に由来する愛称がつけられていたり、古い時代の中国やインド、日本などの国名、地域名、人物名を由来とする国やキャラクターたちが出てきたりするので、元ネタがなんなのかを想像しながら読み進めていくのもまた一興でしょう。
おすすめです!
騎士団とか令嬢というワードが出るので、西洋な感じのファンタジーかと思いきや、操る魔法名は和風。でも漢字にルビでカタカナだったりする、やはり西洋風、という不思議な世界観(語彙力なくてすみません)。
登場人物の話し方はどこか中華っぽい感じもあるので、独特な雰囲気があります。あくまで、私個人の感想ですが・・・・。
そしてその世界観の中に、よく創り込まれた物語は、様々な要素を練り合わせて融合され、お見事!としか言いようがありません。
結末がどうあれ、少女たちの行末を見守りたくなる、そんな作品です。
重厚で壮大なお話が好みの方、ぜひ読んでみてください!
天人地姫と呼ばれる強力な力を持つ少女と相方ポジの少女の物語です。
少女の独白というプロローグから始まるのですが、その直後の序章ではヒリついた空気を醸し出す軍の姿が描かれます。
少女たちがそんなヒリついた物語を駆ける姿は読んでいて胸が熱くなります!
そして強くあろうとする中で時折見せる弱さは読んでいて胸を締め付けてきます!
再構成版ということで、原作を読んでいるわけではないのですが、開始時点から完全に確立された世界観に圧倒されることは間違えないでしょう!
そして、あらすじにも書いてありますが、特別イラスト、ファンアートもあり、この喉が渇くような緊迫感溢れる物語の癒しとも言えるように温かいイラストです。
文章を楽しみ、イラストで癒されたい方。この二つが織り成す硝煙を駆け巡ってみませんか!