看護実習で初恋の君と出会う

hazuki

第1話 プロローグ

am7時。街はまだ賑わう前の静けさで空気も澄みきっている。


看護学生の朝は早い。3年生になり1年間の長い病院実習にはいった。連日、毎日の実習計画や実施記録、実習準備に終われて、夜頑張る者、朝頑張る者、朝慌ててやる者……自分のペースを見つけて1年間やりとげる。寮の明かりが昼夜消えることはない。


金三津 碧海かねみつ うみは、この生活ですでに睡眠不足になり、重くだるい身体をゆっくり動かしていた。白い白衣を来て、髪の毛をアップにし、薄化粧をし顔色不良を隠し鏡の中の自分を見る。


この厳しい実習生活で、辞めた学生もいる。碧海も例外ではなく、何度も辛くなり、続ける自信がなくなる事があった。


だがそんな時、患者さんのありがとうの一言に、頑張ろうと思わされる。その度に言葉の大切さを噛み締めていた。


ーー今日も頑張ろう。


病院の敷地内の端にある寮から、沢山の荷物を肩にかけ息を切らせながら、今日も自分の夢を追いかける為に走って行った。

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