正反対だけど、信念は似ているのを風は知っている

一章最後まで読ませていただきました。
プロローグはグレンダとアルネ、そして仲間たちの穏やかな日常でしたが、そこに漂う不穏さにこの小説のタイトルが思い出されます。
その後、とても、真っすぐで高潔な女性騎士グレンダがなぜアルネの元へと配属されたのかが語られるのですが、いやこのグレンダ、誠心がすごい。
男社会である騎士学校で、唯一の女性騎士として卒業するとは並大抵の根性じゃ無理です。
ただ、グレンダなら出来る。そう分からせてくる内容でした。かっこいい。本当に憧れる。
その後、アルネとの出会いですが、正直私もグレンダと同じく「ここ大丈夫か……?」って思ってしまいましたが、読み進めるうちにこういうフランクなのが良いところなのだなと思いました。
いい意味でも悪い意味でも辺境、でも、領を大切にしてるのが伝わります。
さて、アルネですが、びっくりするくらいに芸術家タイプの人。公子の仕事向きではない性格をしています。
そんな緩い領で、グレンダ大丈夫なのか!?と思いましたが、彼女は誠心はすごい。自分でできることをちゃんと真面目にやります。(心の中は大荒れですが)
そんな正反対な主従の二人に、訪れる転機。
この事件で、ああこの二人は、根っこは似てる。守るべきものを守ろうとする心がとても似てる二人だと思いました。
そして、二人を近づけてくれたのは、"風"。この"風"が今後どのように二人に吹くのか、これからとても楽しみです。

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