歌え、精霊王の末裔の目覚めを――

歌声が美しい少年・ジュキは、そのパーティで雑に扱われていた……なぜなら「魔法が使えない」から。
その魔法が使えない理由が、「たまたま」ジュキが生まれたところに来合わせた「聖女」の「加護」、つまり封印によるものというのが面白いです。
本来なら、そういう、「魔法を使える」ようにするのが「聖女」であるというのに……。
「たまたま」ジュキが生まれた時に来合わせたという「聖女」。
一体、「聖女」とな何者なのか? そして、彼女の目的は何なのか?
……そういう謎をはらみながら、物語は進んでいくことになります。
今のところ、そのあたりまでしか読んでいませんが、先が非常に気になります。

また、言葉の観点でいえば、イタリア風の名前や地名が醸し出す雰囲気が素晴らしい物語です。
文章の方も、まるでイタリア語のように、まさに「歌うように」記されていて、読んでいて心地良いです。

ぜひ、ご一読を。

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