しあわせな誕生日

　その日は森戸杏樹（あんじゅ）の二十歳の誕生日だった。
　大学二年生の杏樹は、卒業研究の研究室として、一年生のころに懐いていた先輩がいる現代社会学研究室を志望していた。研究室公開の日、杏樹は、その研究室に行く前に、「ちょっと興味があるから」と日本史研究室を訪ねてみる。そこには、小柄で印象の薄い二年生と、年齢不詳の美人の先生、おっかないと言われる先輩がいた。さっそくお茶会が始まる…。
　秋の終わり、さまざまな「過去」を重ねつつ、「大人」へと旅立つ女子学生たちの物語。
　【『日本史研究室の午後』・『夜風』の関連作です】
　【本作は未成年飲酒を勧めるものではありません】

　日本史研究室の午後：
https://kakuyomu.jp/works/16816700426701538279
　夜風：…続きを読む