概要
ある日、妹が拾ってきたのは、空気のように透明なおたまじゃくしだった
待ちに待った小学校の夏休み。僕と妹は、宿題である自由研究の題材を探している真っ最中だった。そんな中で妹が題材に選んだのは、なんと空から降ってきた一匹のおたまじゃくし。妹は、嬉しそうにそいつを僕に見せびらかして胸を張る。しかし、僕は何も言わなかった。
本当は、そこにおたまじゃくしなんていないのに。そう言いたくても言えなかった。
季節は巡り、おたまじゃくしのゆるやかな成長と共に、妹の目は輝き、僕の瞳は段々と曇っていく。
おたまじゃくしがカエルになった日。それは僕らにとって、忘れられない、決して忘れてはならない一日だった。
本当は、そこにおたまじゃくしなんていないのに。そう言いたくても言えなかった。
季節は巡り、おたまじゃくしのゆるやかな成長と共に、妹の目は輝き、僕の瞳は段々と曇っていく。
おたまじゃくしがカエルになった日。それは僕らにとって、忘れられない、決して忘れてはならない一日だった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!今なら“それ”が見える気がした。
感動の名作です。
切なさも混じりつつも、SFというか、何というか……すごい新しいところに踏み込んできた気がします。
SFとはちょっと違うし、恋愛でもない、ホラーでもない、ファンタジーでもない、現代ドラマでもない。
この小説は一体何なんだ?
ただ、兄妹が中心になるこの物語はすごい色々含んだものを読者に届けてくれます。
最初は
「このおたまじゃくしと妹のことが何一つ理解できない……この謎がどう明かされるのか、すごい気になります」
ってコメントしましたけれども、全ての謎が解け、前へ進んでいく。メガネ生活の僕でも、眼鏡をはずしても澄んだ空と、その空を泳ぐオタマジャクシが見える気がしま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神社のお札を握って「よし、こい!」とかまえて読んだら、号泣してしまった
私は怖い話が苦手です。なので、ホラーを読むときには腹を括って、いろいろ対策してから読みます*。いくら御角さんの作品だからといって、盛り塩したり体に魔除けの呪文を書いたり紙オムツをしたりして、恐怖対策してから本作を読んだら、全く肩透かしを食らいます。肩透かしどころか、脱臼した時以上に涙が出ます。
その涙は心の奥から涌き出る涙です。そして、それは清々しい涙です。
*(注)本作はホラーではありません
この作品は、読んでいけば、笑い、
悲しみに泣き、安堵に泣く、頷く、感動する、という、作者さんに読者さんが感情を弄ばれる、そういう作品なのです!
まあ、とにかく読んでみてください。ちゃんとハンカチ持っ…続きを読む