感動の名作です。
切なさも混じりつつも、SFというか、何というか……すごい新しいところに踏み込んできた気がします。
SFとはちょっと違うし、恋愛でもない、ホラーでもない、ファンタジーでもない、現代ドラマでもない。
この小説は一体何なんだ?
ただ、兄妹が中心になるこの物語はすごい色々含んだものを読者に届けてくれます。
最初は
「このおたまじゃくしと妹のことが何一つ理解できない……この謎がどう明かされるのか、すごい気になります」
ってコメントしましたけれども、全ての謎が解け、前へ進んでいく。メガネ生活の僕でも、眼鏡をはずしても澄んだ空と、その空を泳ぐオタマジャクシが見える気がしました。
というわけで、すごい強いメッセージ性がある当作を目の運動をしてからご覧ください!
私は怖い話が苦手です。なので、ホラーを読むときには腹を括って、いろいろ対策してから読みます*。いくら御角さんの作品だからといって、盛り塩したり体に魔除けの呪文を書いたり紙オムツをしたりして、恐怖対策してから本作を読んだら、全く肩透かしを食らいます。肩透かしどころか、脱臼した時以上に涙が出ます。
その涙は心の奥から涌き出る涙です。そして、それは清々しい涙です。
*(注)本作はホラーではありません
この作品は、読んでいけば、笑い、
悲しみに泣き、安堵に泣く、頷く、感動する、という、作者さんに読者さんが感情を弄ばれる、そういう作品なのです!
まあ、とにかく読んでみてください。ちゃんとハンカチ持って。これ、どんでん返しが凄いから。