時代の風情を醸し出す文章といかにもな展開にわくわくする作品

話はいずことも知れぬ港町、鬼とまで渾名される大男の坂田 源十郎と、美貌の若侍・鷹山 要が安からぬ風で酒を酌み交わせば、酒の肴は近頃市中を騒がす通り悪魔の件。
渋々調査を引き受けた源十郎の前に現れたるは鬼か悪魔か、果たして――

鬼のような恐ろしい風貌だが、心根が優しく子供に滅法甘い浪人・源十郎が切った張ったの立ち回りで悪人を懲らしめる、勧善懲悪のチャンバラ時代劇です。
文章も作品に合わせて調えられており、実に風情を感じられる良い作品でした。

いかにもな悪人を見出し、集団を相手に乗り込み大立ち回り、そして最後に秘密も明かしつつスカッと成敗する、そんな時代劇好きな人は是非読んでみてください。

その他のおすすめレビュー

津多 時ロウさんの他のおすすめレビュー242