和の美しさと二人の絆

日本の季節というものは美しい。それを改めて実感させてくれる物語であった。そしてこの美しい神を迎える宿において、どこか神聖さすらも感じる二人が描かれている。
その関係性がどのようなものか、一言では表せない。むしろどんな言葉も相応しくなく、陳腐なものに思えるだろう。
そしてこれほどに美しく神聖であるのに、殺伐としている。このどこか不釣り合いなものすらもこの作品の魅力である。
作中の季節は冬であるが、彼らは春と夏と秋をどう過ごしていくのだろうか。彼らに先はどれほどあるのだろうか。
重厚で切なく、妖しく、どこまでも魅力溢れる作品です。ぜひご一読ください。