「和」なバディが見たいあなたへ贈る

彼岸屋の当主とその護衛官を巡る和風バディものです。
序盤から、このふたり、まさか・・・?な描写がいくつかあり、それが一体何故なのか考えながら読み進めるのが楽しかったです。鳴の中性的で見る者を魅了してしまうのではと思うほどの容姿はどこかダークで耽美とさえ感じられる物語の雰囲気をよく引き出しています。

作品を一言で表すなら「妖しい」です。謎めいた部分を少しずつ紐解くうちに離れたくとも離れられない、綱渡りのような二人の関係性にどきどきさせられます。安易に、愛や友情という言葉で片付けることはできない、何とも言い難い二人。読み終わる頃にはこの先もこの命の灯が消えないことを祈りたくなる。
彼岸花の朱色に惹きつけられるあなたにこそおすすめの作品です。

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