剣の道を進み、向かうところ敵なしの状態になっていた主人公。傲慢かつ天狗になっていたところ、とある街での一人の女性との出会いが変化をもたらします。主人公の心が変わっていく様が見事です。その描写にご注目ください。
時代背景を探りつつ、いつしか一人の剣士の置かれた心情に身を寄せてしまう。同情なのか非情なのか、悩める剣士と同様に読み手も何かを探し求めたりもする。心地の良い距離感。そこからまた何かが始まるのかという期待感も心地いい。
海は人智の及ばぬ恐ろしいものです。人を無意識に恐れさせます。だけど人を大きく惹きつけるのもまた海なのです。海が結びつける2人の物語です。心に染み入る物語をお楽しみ下さい。
静かな、静かに、寄せてきます波のように、心に一つひとつが丁寧な描写町の景色も、人物の背景も、心に深く伝わってきます無骨な、おのれのことだけを考えていた男が旅に疲れたと気付いて滞留する町で出会ったのは、得るべき本当の「強さ」目を閉じればこそ感じる大いなる海穏やか、でも時に激しく心の未熟を大きな海のとある一つの物語から知った時彼は最も大事なものを得たに違いありません
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