僕が発狂した100の理由

　『僕』は昔から最底辺を歩いていた。政府の高官だった父親が妹に暴行しようとし、見かねた母が父を包丁で刺して、家に火を放った。『僕』は妹を連れて逃げ、身分を隠して二人だけで暮らし始めた。暗殺など黒い仕事を何でも請け負って生計を立て始めた『僕』は、人を殺すことに躊躇いを覚えなくなった。何年か経ったある日、上司から、死んだと思っていた母がまだ生きていることを告げられ、『僕』は母に会いに行くことにするが……。
　時系列をばらばらにされた救いのない100のエピソードが、ただただ破滅的な結末に収束していく。バッドエンドしか愛せないあなたのための究極のダウナー小説。
　小説現代新人賞落選作品。