ああ、銀将成れば失い戻ることあたわず、ですか。物語自体は切ない2人の物語。言ってしまえば将棋を指しながら話をしているだけのお話です。ただ、そこから伝わってくる切なさ、もどかしさは将棋知らなくても全く問題なく物語に入り込む事ができます。ただ、このタイトルの良さは将棋指しにはたまりません。銀将が、金将になるべきか。なって終えば元の銀将には戻れない。グッときました。レビュアーが将棋が好きなため最後少し偏ったことを書きましたが、将棋知らなくても十分楽しめる作品です。将棋を知ってれば、なお。是非ご一読ください。
まだ形にすることも、言葉にすることすらも難しい、淡い気持ち。将棋の盤面を挟んで揺れ動く思春期の二人のひと時を鮮やかに描いています。これからの展開を想像したくなる、余韻のある物語でした。甘ずっぱい!
終わりの予感めいたものを抱えたまま将棋を指し続ける二人。交わす言葉はゆるく優しく、でもお互いに優しすぎて、あらたな二人へと成ることができるのだろうか……うう、切ないです。
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