ハイクラス転職という言葉は、異世界でこそ相応しい☆

異世界へ飛ばされたら、大抵は己の得意技を駆使して暴れまわるものだが、職業カウンセラーとしてその世界の均衡を整えるのは珍しい。この種族は労働オンリー、この種族はモノ作り特化、などなど。特異な種族が跋扈する異世界には、割り当てられたお決まりの仕事が存在しているものだ。しかし、人が造り出した異世界ならば、どの種族に生まれても「やりたかった」ことがあるはずなのだ。作者さまは、いわゆる「異世界雇用機会均等法」を紡ぎ出したようなものである。
そしてこの作品は、職種の自由に言及しているばかりでなく、ジェンダー・マイノリティへも軽く切り込んでいる。彼はこうでなければならない、彼女はそうあるべきだ、と言ったようなデフォルトを軽快にみじん切りして上手に調理している。その筆致は、もう笑い無しでは読み進められない。

「ハイクラス転職」という言葉を耳にすることが増えましたが、このトレンドワードは異世界にこそ相応しいと思いました☆

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