「吹奏楽」を愛する「大人」と「思春期」の学生に読んでもらいたい一作!

 中学の吹奏楽部のお話です。この手のお話だと「響けユーフォニアム」という名作がありますが、あれは「高校生」のお話、これは「中学生」のお話です。

 なんだ「中学」と「高校」なんだから、そんなに変わらないじゃないか?と思うじゃないですか?それが、大違いなんですよ。ある程度の規律を「中学」で学んだ「高校生」の物語と、これから「規律」を学んでいく「中学」では、全然違うのです。

 そう「吹奏楽」は「みんなの心を合わせなければ」、うまく鳴らないのです。「先輩」と「後輩」のワガママゆえの葛藤、「中学生」ならではの「問題の向き合い方」と「挫折」。作者さまは「中学生という世界」を、じつに客観的に正確に捉えていて、そこらへんの描写が完璧に近いです。

 ただ、注意点もあります。音楽の専門用語が出てきますので、音楽の基礎知識がないと「理解」が難しい表現があるのと、1話の文字数がそろってないので、読了の時間を測るのが難しい事です。

 ただ、内容的には素晴らしいものになりますので、検索しながら時間の余裕を持って読んで欲しい一作です。

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