第15話 定番な展開

「えーー、どうしようかな」


凛は物凄く迷っていた。


「凛は剣を使うから聖気付与でも良いんじゃね?」


「うーん、確かにそうだけど。あたしMP少ないですからね」


「なら、私のを譲りますよ」


千夏は『強化の指輪』を凛に渡した。


「なら、チナツはこのネックレスにする?ちょうどコストは4だし」


「え、ですが」


千夏は黒華に視線を移した。黒華は首を縦に振る。


「千夏が使って、能力的に千夏があってるし」


ーー装備アイテムーーーーーーー


名前:聖なるネックレス レアリティ:LR


コスト:4


ステータス能力:HP+150 MP+500 防御力+500


能力

1、聖女の職業が装着すると???のネックレスに進化する。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「ステータスアップしかないな...チートだろ、これ。しかもレジェンドレアって、ここ始まりの街だよな?」


そして、黒華達3人はエクストラスキルを選んだ。凛は『聖気付与』聖なる力を武器に付与して強力な攻撃力になる。黒華は『赤雷撃付与』赤い雷を纏わせて攻撃力を上げ、大幅にスピードを上げたり、相手に感電のデバフをかけたりする。千夏は『聖なる盾』自信や仲間に強力な盾で敵の攻撃を防御する。


「よっし、腹も減って来たし今日は終えるか」



「え?うわ、もう9時になるじゃん」


凛は今の時間を見てビックリする。


「どうする?凛が良ければ今日は泊まって行くのかな?」


「え!いいの!うん!泊まる泊まる!」


流石に夜だし帰らせるのも悪い。別に泊まらないと言われればバイクで送っていたが。そして、3人は薬屋の前でログアウトをする。


「はぁ〜今日は濃い1日だな」


隠しクエストをクリアしたら、継続クエストをクリアしたら、ボーナスクエストをクリアしたり、エクストラスキルを所得出来たり、次の隠しクエストを受けられたら、こんな運がいいとは嬉しいもんだ。

そして3人で遅めの夕食を済ませて、黒華はリビングでぐったりしていた。


「黒華君、お先にお風呂入ってください」


「え?いいの?なら、先に入るよ」


黒華は部屋から自分の服を取りに向かい、浴室に向かった。翌日のドアを開けると


「あっ...」


中には凛が服を脱いでいる姿を出会してしまった。驚きで勢いよくドアを閉めてしまった。


「コクハ?入らないの?」


っとドアを開ける凛。黒華は自分の手で目を追い被せた。


「な!何してんだ!」


「ん?今からお風呂入るんだの?コクハも一緒に入る?」


「入る訳ないだろ!」


「えーー、恋はいつも一緒に入ってくれるよ?」


「それは、女の子同士だからだろ?!俺は男だ!」


あまりにも無知に、まさか凛は箱入り娘じゃないのかと疑い始める。


「あはは、流石に知ってるよ。男と入るのはあたしはごめんだよ」


「じゃ、な、なんで俺を」


「好きだから?」


「は?!」


え?告白?今俺告白された??


「うーん、まぁあたし馬鹿だからよく分かんないや。ほら!折角だから一緒に入ろう!」


凛は黒華の手首を掴んで浴室の中に引っ張って行った。結局2人は一緒にシャワー室の中にいる。


「わぁ〜結構広いね!しかもお風呂まであるじゃん!」


黒華がバスチェアに座ると凛が後ろに立った。


「頭洗う?」


「え?」


「あたしが頭洗ってあげるよ!」


「お、おい」


凛はわしゃわしゃと黒華の頭をシャンプーで洗う。黒華は今どうゆう状況?と少し混乱していた。


「次!あたしのも洗ってよ!」


「はいはい」


慣れて来たのか冷静に対応する事にした。こんな子供っぽい可愛いらしい凛を見てると理性を保とうと頑張りながら凛の頭をシャンプーで洗う。


「ん〜〜コクハの手きもちぃ〜〜」


「こんな感じでいいか?」


「うん!最高だよ!流石、あたしの相棒だよ」


「へいへい」


バシャーっと頭に付いた泡を水で洗い流し、黒華は風呂の中に入る。濡れた前髪を上にかきあげる。


「あぁ〜気持ち〜〜」


すると凛が風呂の中に入って黒華と対面して抱きついて来た。


「おい!凛!な、何してんだよ!」


「え〜良いじゃん!コクハの体大きいね!すごく鍛えてる」


「流石にやばいって」


今千夏に見られたらどう言い訳すれば良いのだろう。不安な顔になってる黒華を見て凛は少ししょんぼりする。


「私も入って宜しいでしょうか?」


ビクッ!最悪のタイミングや丁度よく千夏が浴室に入っていた。


「チナツ遅い〜」


「ごめんなさいね」


そして千夏が風呂場に入って行った。風呂の中で抱き合っている今の姿を見ると幻滅してしまうだろうかと、不安にしか思えなかった。


「ふふ、2人とも仲良いですね」


「へ?...えっと、千夏は俺と凛が一緒に風呂に入ってる事なんとも、思ってないの?」


「はい?そもそも、私から3人で入りましょうって提案したのですよ?もしかしてご不満でしたか?」


「あ、いや。なんでも、ないよ。ほら、一緒に入るか」


家の風呂は3人分入れるぐらいに大きなモノ。凛はくるりと体を回して黒華と同じ向きで密着するように座る。対面で千夏が風呂の中に入り3人で風呂を堪能するのだった。


...あれ?もしかして、俺が間違ってるのか?

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