第4話 どうしてこうなった?
「ふぁ〜〜」
いつもの様に学校に来て、眠そうに座って居た。ガラガラとドアが開き視線を移すとイライラとしている宅間達が入ってくる。視線は合ってこっちに向かってきた。
来ないで欲しいんだけど...
「おい、ちょっと面貸せ」
えぇ〜〜未だそんなセリフ使う奴いるの?
「な、なんでですか?」
「良いから来い!」
宅間は黒華の胸ぐらを掴まれてそのまま無理矢理持ち上げれる。折角のTシャツをしわくちゃにされた事にイラッと来て宅間の手首を掴んで少しだけ力を入れる。
「イッ!」
宅間は黒華の手を振り払おうとするが、強い握力に抵抗が出来なくその場で膝をつく。
「ご、豪堂君?だ、大丈夫?」
分かりやすく心配な目で見るが、そもそも宅間がこうなったのは自分のせいなのに、内心ニヤニヤと心配をするフリをした。
「おい!不動!宅間に何をした!」
「え?し、知らないよ!い、いきなり倒れ...」
「ごちゃごちゃとウルセェ!早くこっちに来い!」
黒華を囲もうとするが、教室の中に黒髪の美少女が入ってきて黒華達の間に割って入って来た。
「辞めなさい!教室で喧嘩をしないで下さい...いや、これはいじめでしょうか?」
「ち、違うんだ!委員長!」
宅間の取り巻きは必死に言い訳をする。
「チナツ、どうしたの?」
次々と残りの五大女神達が教室に入る。教室の中は異様な空気に4人は困惑していた。
「見なかった事にするので、早く自分の席に座って下さい」
「「「はい」」」
宅間達はすんなりと自分の席に座った。宅間はずっと黒華を睨みつけて居た。そして千夏は頬を赤らませて体をモジモジとさせながら、黒華の前に立った。
「あ、あの。黒華君。お、おはよう」
少し照れくさそうに挨拶をする。いきなり下の名前で呼ばれた方に少しドキッとしてしまった。
「...え?あ、おはよう。不知火さん」
「千夏...」
「え?」
「千夏って呼んで」
「え?でも...」
いきなり下の名前で呼ぶのも何か恥ずかしい。
すると千夏は小声でボソッと脅しに来た。
「黒いメンソール」
「おはよう!!千夏!」
「はい!おはようございます。黒華君」
みんなに聞こえない様に大声で挨拶をする。黒いメンソールとは黒華のタバコの銘柄だった。
頬を赤らめた状態で彼女はモジモジした様子で、こう告げる。
「きょ、今日迷惑ではありませんでしたら、一緒に帰りませんか?」
「え?」
今の言動に誤解を生むのだろう。教室の中はザワザワと騒ぎ出し五大女神達はニヤニヤと見ていた。
そして男達には殺意が困っている瞳で睨まれていた。
☆ ☆ ☆
「千夏?なんか距離近くない?」
一緒に帰る際千夏は何故か黒華の腕に抱きついていた。嬉しそうな彼女を引き離そうとするのも悪いし、それにめちゃくちゃ可愛い。
「あ、あの〜。千夏の家まで送るよ」
「え、良いですよ。あの、黒華君って一人暮らしですか?」
「え?うん、まぁそうだな」
「でしたらお礼として晩御飯作らせて下さい」
「え...そんなの悪いよ」
「いいえ、私がやりたくてやってるだけです...やはり、迷惑でしょうか?」
首を傾げる彼女の姿は本当に可愛いかった。遠い存在と思っていた彼女がこうも近くで見ると眩しいと思ってしまう。
「め、迷惑じゃないよ」
むしろこんな美少女から手料理を食べれるなんて嬉しい限り。千夏を自分の家までに案内をする。
「えっと、一人暮らしなんですよね?」
一人暮らしと言いながら、一家の家族が住めれる様な一軒家に戸惑う千夏。
「うん、俺1人でここに住んでるんだ」
家の中に千夏を招き入れる。キッチンに案内してすぐに夕食の準備に取り掛かる。冷蔵庫の中の材料を見て何を作るかと考える。
「肉じゃがはどうでしょう?」
「なら、俺はジャガイモの皮を剥いたり切るから、千夏は肉とかお願い」
「分かりました」
2人はエプロンをつけて調理を始める。キッチンにいる中2人で調理をする空間が少しニヤけてしまう。
「なんか、夫婦みたいですね」
「...へ?」
千夏の言葉に余計に意識してしまい、顔を真っ赤にする。千夏はそんな黒華を見て微笑むが、千夏も耳が赤くなってる事は見逃さなかった。
「ち、千夏さなんで昨日路地裏にいたの?」
無言で恥ずかしい空間を脱出する為に何か話題を作った。
「すみません」
「え?いや、攻めてるわけじゃないよ?」
「昨日はそうですね。少し疲れまして近道をする為にあそこに通ってしまったのです。まさかすぐにナンパをされるとは思いませんでした。本当に助けていただきありがとうございます」
「まぁ、ああゆう所は気をつけな。本当にあんな輩が多いから」
「ご忠告ありがとうございます」
そして、2人は楽しく夕食を取るのだった。
この後の出来事に黒華達の運命は大きく動き出した。
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