裏のある冴えないモブ男と5人の女神と意地悪な魔女と少し愛の重い義妹ちゃんとのラブコメ日常

ちゃんユウ

第1話 五大女神

両親が海外に出張してから1年近くの月日が経った。この1年間は寂しく一人暮らしをして居た。2年2組に所属しているが、残念なく自分には学校で友人と呼べる様な仲はいない。彼は目が覚めてベッドから立ち上がる。


「ふぁ〜」


彼の名前は不動ふどう 黒華こくは。身長は174センチの身長はある方だが、冴えない見た目に誰にも相手をされなかった。常にマスクを付け、長い前髪で顔がよく見えない。黒華はカチューシャを付けて歯磨きをして朝食を作る。静かな空間でただ1人虚しく朝食を食べた。

両親は海外で主張する程の高給取りなので、1人なのだが少し広めの二階建の一軒家に住んでいた。

制服に着替えた。


「行って来ます」


カチューシャを外して家には誰にもいないが挨拶をした。スマホを見つめながら学校に登校すると、後ろから軽く蹴られた様な感覚が走る。


「よう!陰キャ君!おはよう」


「...おはよう」


「あ?聞こえねぇよ!」


この金髪の男は同じクラスメイトで、イケメンにクラスのムードメーカーでもある早乙女さおとめ 隼斗はやと。何故か良くイジってくるが相手にはしていない。後ろからゾロゾロと隼斗の取り巻きがやって来る。


「おい、俺の荷物持ってくれ」


隼斗の親友豪堂ごうどう 宅間たくま。持っていたバックを無理矢理黒華に渡して自分の友達と楽しく会話をする。


「はぁ〜」


あまり学校で問題を起こしたくないので、何も言わずに言いなりになっていた。すると、宅間のバックを金髪に黒のインナーカラーのギャルが奪い宅間に投げつける。


「お前さ、自分の物は自分で持てよ。自分より弱い奴に持たせてるなんて正直言ってダセェよ」


「お、おう。す、すまねぇ」


少し目つきの悪いセミロングのギャルは人気雑誌の三谷原みやはら 由香ゆか。見た目に反して曲がった事は嫌いな凄く目つきが怖い五大女神の1人。由香の睨みつけに宅間は少しビクッと怯えていた。由香がイライラしながら先に前に進むと何故か宅間は黒華を睨みつける。


「はぁ〜憂鬱だ」


宅間は由香に気があると思うが、自業自得のはずなのに想い人に自分の評価が下がった事に八つ当たり気味に黒華を舌打ちをして置いてかれる。

そして校門をくぐり教室にたどり着いた。中からはガヤガヤと叫ぶ声が聞こえる。ウチのクラスは陽キャと言った人種が多く、陰キャの黒華にとっては荷が重い。


「もう、凛ちゃん!」


「あはは!レンはさ...」


このクラスには陽キャが多いのもう一つに魅力的な事がある。それは学校の中...いや、この街の中で最も可愛いと言われている5人の女子、五大女神の全員がこの2組に所属していたのだ。5人とも一年の時から注目されていた事に仲良くしていたのだ。

このクラスで一番元気で誰とでも仲良くするサーモンピンクのサイドテール緋村ひむら りんはスポーツ万能で良く他の部活から助っ人として誘いが来る。陸上部の助っ人に来た時に仲良くなった、黒髪ボブの赤髪のメッシュの出雲でぐも れんの2人で楽しく会話をして居た。


「2人ともおはよう」


「由香ちゃん!おはよう〜」


「ユカ〜おっは〜」


恋は由香と凛に挨拶をして2人の近くの椅子に座る。そして後からハーフアップの黒髪ストレートロングのザ委員長清楚な不知火しらぬい 千夏ちなつと腰まで伸びている銀髪のロシアのハーフの白崎しらさき 杏奈あんなが教室に入ってくる。千夏は3人にお辞儀をして挨拶をする。


「凛さん、恋さん、由香さんおはようございます」


「お〜チナツおはよう〜アンナもおはよう」


凛の挨拶にコクリと頷く杏奈。こんな5人の美少女達が一つの空間に集まる事に2組はいつも騒がしいし、他のクラスの生徒も良く出入りする事が多い。

そんな五大女神が集まった絵面は美しいものだ。いつもいつもクラスの中はあの5人の話で大騒ぎだった。


「本当、可愛いよな。やっぱり俺は凛派だな!」

「いやいや、あの少し幼い恋派だろ!」

「いつも無口なクールビューティーな杏奈派も捨てがたいだろ?」

「成績も運動も出来る文武両道に、家までお金持ちにあの可愛いさ。委員長は勝ち組で羨ましいよな。あんな子と付き合いたいな...」

「いやいや、あの鋭い目つきの睨めながら罵って踏まれたいだろ」

「「「「...」」」」


最後の願望のセリフに空気は重くなるが、やはりあの5人はこの学校の人達にとって憧れの存在だった。それが普通じゃないモブ男な黒華と学校の人気者の五大女神達と関係をもたらすとは、この時の6人には知る由もないだろう。

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