第2話 普通じゃない冴えないモブ男
この作品には未成年喫煙の描写が存在します。
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「...帰りたい」
家に帰って早く新作のゲームをプレイしたい黒華は憂鬱そうに授業を受けていた。退屈そうにペンをクルクルも指で回す。やっと長い授業は終わり、立ち上がろうとした時に宅間とその部活仲間の人達に囲まれる。
「悪いが、俺達今日は部活あるから。掃除やってくんねぇかな?どうせ、陰キャ君はゲームだけでしょ?人助けだと思ってよ」
少しイラッと来るが気持ちをグッと堪えて大人の対応をする。
「ごめん、俺もこの後外せない用事があるの」
って言っても新作のゲームの続きだが、黒華にとっては外せない用事がだった。まさか断られた事に宅間は苛立ちを覚える。
「はぁ、お前みたいな陰キャが俺らの様な人間のお願いを断る権利なんてないんだよ。大人しく俺らの代わりに掃除してくれねぇか?俺もあまり人が痛い目を見るのも嫌なんだよ」
っと宅間は黒華の耳元で呟いた。お願いじゃなくもはや命令に近い脅しをしていた。流石に手を出されたら反撃をするが、宅間がどう動くのかと判断をする。
「あの〜話は聞いていましたが、流石にそれはあんまりじゃないですか?」
「え?あっ、委員長さん!」
まさか自分の言葉にクラスの委員長の千夏に聞かれていた事に宅間は酷く驚いて焦っていた。
「用事があると早く帰りたい気持ちは分かります。ですがそれを建前にして人に無理矢理押し付けるのは間違っていませんか?」
「...おっしゃる通りです。申し訳ございません」
「いえ、私に謝られても...」
「勝手な事言ってすまん」
ここで無理に千夏に反抗して、他の五大女神に嫌われるのを避ける為に素直に黒華に謝る。千夏には見えない様にめちゃくちゃ睨みつけられたのだった。
「もしお急ぎの用事でしたら、私が手伝いますが?」
「い、いえ。ここは俺達にやらせて下さい」
いや、元々お前らの仕事だから!っと心の中でツッコミを入れる。助けてくれた千夏にお礼のお辞儀をして教室を後にした。お辞儀をした際に可愛いらしく微笑んだ顔が物凄く可愛いのは今でも脳の中に焼き付いていた。
「...嘘だろ?」
新作なゲームの続けるが出来ると、ワクワクしながら小走りで帰ると家の前に柄の悪い3人組みの男達が立っていた。
「警察呼ぼうかな...」
「おっ?!」
どうやら金髪グラサンの男に見つかってしまって嬉しそうに近づいてくる。
「ハナハナ〜」
「な、何だよ」
後ろにいる大男のスキンヘッドとめちゃくちゃイケメンな男も黒華を囲んだ。第三者から見れば完全にカツアゲをされている状態だった。
「ゲーセン行こうぜ?」
「これから家でゲームの続きをしたかったんだけど...」
金髪グラサンの男は
「いいじゃねぇか!遊ぼうぜ!来てくれたら一食分奢るぜ?」
「しゃねぇ、行くか!」
飯を奢ってくれるのなら話は別だ。建人は黒華の髪を指摘する。
「お前、もう学校外だから髪上げれば?」
「確かに」
髪が長くツーブロだと判明する。黒華は髪を上げてマンバンに結ぶ。2つのリングピアスを取り正して右耳に付けるのだった。
「ふぅ、こっちの方がスッキリする」
「ハナハナはそっちの方がカッコいいと思うぞ」
建人は黒華の顔が良く見える素顔を褒める。イケメンに褒められてもあまり嬉しい感じはしないが、まぁ悪い気はしなかった。この3人にはハナハナと呼ばれている。4人で行きつけのゲーセンに向かい格闘ゲーのコーナーに入る。するとそこには2人の知り合いが居た。
「おっ!ハナハナ!」
ショートヘアーの可愛いらしい女性?が黒華に近づいて行った。だが可愛いらしい女と思われるがちだが本当は男だ。いわゆる男の娘だ。彼の名前は
「あら、ハナハナじゃない」
この兄弟は弟は見た目が女みたいで中身は男、兄は見た目がゴツいおっさんで中身は女の模様。俺たち7人(1人は用事があると不在)は清史郎と不在の子以外は同じ歳で暇な時にいつもゲーセンをたむろって遊んでいる。
「今日、お前ら学校は?」
「「「「え?サボった」」」」
傑、大寿、建人、真斗は黒華の質問に目を丸くして答えた。こんな堂々と答えた事に呆れながらポケットからタバコや箱を取り出し一本吸う。
「ふー、今日めちゃくちゃキュンと来た出来事があってよ...」
黒華は今日の放課後の出来事を話した。
その話を聞いて傑が笑いながら言う。
「もしかして、ハナハナにも春が来たか?」
「...別に惚れた訳ではないけど」
「なぁ〜んだ」
傑はつまらなそうな顔を浮かべる。大寿は少し苛立ちながら宅間達の事を話す。
「お前に押し付けた奴シメるか?」
「そんな事はしなくていいよ。別にあいつらをシメら為に話した訳じゃねぇ。あと、復讐に人数を揃えるダセェ事はしたくねぇ、俺の事は俺1人で解決するよ」
「そうか、何か困った事あったら俺達を頼れよ。お前は俺達にとって大切なダチなんだから」
建人は嬉しい事を言ってくれた。
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