第9話ソロモン第7柱
自宅 朝
浄は弁当を持ち、登校しようと家の玄関を開ける
そこに少女が倒れていた
紫の髪にツインテール、破けた服、土で汚れた肌
近所に誤解されないために、浄は少女を家の敷地の外にぶん投げた
「ギャッ」
何か声が聞こえたが気にせず学校に向かう
「ちょいちょいちょーい‼️助けてよ‼️」
「あ?」
浄は面倒くさそうに振り返る
ツインテールの少女は涙目で近づいてくる
「お願い‼️食べ物を‼️少しだけ‼️一口‼️いや三口‼️オカズ一つでいいから‼️」
要求が肥大していく
浄はため息を吐き
重箱を出して、中から卵焼きを一つ箸で箸出す
少女は重箱を奪いとり、中身にがっついた
浄の表情から感情が消える
「フフフ、至福至福、感謝しよう青年
我が名はソロモン72柱が7番アマイモン‼️旨そうな匂いに誘われ降臨‼️」
口に食べカスをつけポーズを決める少女
浄は食い物の恨みでハイキックを放つ
しかし、まるで岩にでも打ち込んだような感触が足に走る
「あ~、人間の蹴りじゃアタシは仕留めれないよ?アタシ悪魔の中でも一番タフだから」
浄は屈みこむ
足が痛いらしい
「まぁ、人間にしては相当いい蹴りだったけどね悪魔には無駄無駄」
浄は屈んだ状態から少女に飛び掛かりギロチンチョークの形になる
「グエッ⁉️」
少女は苦しそうに抵抗する
浄は絞め落とそうと力を入れる
すると少女の背中から巨大な黒い鴉のような翼が現れる
次の瞬間、浄ごと空へ飛びたつ
あまりのことに浄は唖然とするが、力は緩めなかった
しばらく上昇したのち、少女がタップした
浄は少女に抱きつきながら二人は元の場所に下降した
二人とも息が荒い
「なんなのよアンタ⁉️悪魔のアタシが絞め落とされそうになるなんて⁉️ネメアの獅子の真似事⁉️」
「マジで悪魔なのかよこいつ」
「食べ物の恨みって怖いわね本当に、まぁお腹も膨れたし命は見逃したげる
じゃあね」
アマイモンは飛び立つ
「アンタのお弁当、本当に美味しかったわ
特に卵焼き」
アマイモンは空へと消えていった
浄は空を見上げ
「今日は学校はいいや」
サボりを決意する
都心
一人の女性が杖をつきながら歩いていた
オレンジの髪を短く切り、端正な顔立ち
一見して女性とわかる体つき
そこに男が話かける
「お姉さん、大丈夫?足悪いの?なんなら近くのお店で休まない?オレの奢りで」
女性は男に微笑む
青い瞳は愉悦に満ちていた
「ええ、じゃあホテルで」
ホテル 室内
「残念、この男じゃこの程度の悪魔しか生成できないか」
オレンジ髪の女性の隣には男だった物が三本の脚で立っていた
神造悪魔という作品
白い体躯は2メートルに届きそうだが、声や呼吸の音は聞こえない
「まぁ、ホテルには男女問わず沢山いるから、材料には困らないか」
女性の瞳が再び愉悦に満たされる
「ああああ、アマイモンどこにいるの?君のもつ本には、私の作りたい物のことが書かれているかもしれない‼️それを作れば私の創作意欲は満たされる‼️絶対逃がさない‼️絶対に‼️絶対に‼️」
鍛冶神ヘーパイストスは想いを馳せる
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