第8話悪魔
少女は逃げていた
紫の髪をツインテールにした少女は、息絶え絶えに逃げていた
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
捕まるのが怖いのではない
かつての主の威光を汚されるのが怖い
果たして悪魔の自分はあの神から逃げれるのだろうか
足軽高校
異空 浄は不運に見舞われていた
一年生は合同体育で男女は体操着に着替えていた
浄は塚原 朴伝と一緒に教室に戻っていた
「朴伝よ、体育やるのに体操着忘れてどうすんだ?」
「不覚」
朴伝は見た目優秀そうだが浄と並んで劣等生であった
浄が教室の扉を開ける
「あ?」
「え?」
そこには複数の女生徒が下着姿でいた
白い下着
赤い下着
青い下着
中でもシャルロット・ジュワユーズの黒い下着は際立ていた
彼女の白い肌とのマッチが色気を際立ている
他の女子が悲鳴を上げる前に、シャルロットが浄に右ストレートを打ち込む
瞬間、浄はその拳をとり、一本背負いを出す
シャルロットは受け身を取れず沈黙
((この男、覗いておいて女の子ぶん投げやがった))
全員ドン引きである
「あ~、腰痛い」
「着替え中の名札でも掛けとけよ
もう全員着替え終わってると思ったわ」
浄は悪びれず言う
「アンタは悪魔よ」
シャルロットは恨めし気に言う
両者が無言で走りだす
今日は一年生は全員グラウンドを体力が続く限り走る授業らしい
足軽高校ではよくある鬼畜授業だ
「アンタ、もうケガは大丈夫なの?」
「大丈夫ではない」
「そう」
先日シャルロットと庇った傷はまだ治らない
シャルロットは黙り込む
浄は気付いているが声はかけない
シャルロットのペースが落ちる
浄が振り向く
「おい」
「もう駄目~、もう走れない~、限界~」
(この女、本当に体力無いな)
昼頃 教室
「飯だ‼️飯だ‼️飯だァァァァァァァァァ‼️‼️‼️‼️
」
ペリノアが叫ぶ
「この女、よくあんだけ走って元気だな」
ペリノアは時間の許す限り走っていた
浄は適当に流していた
「喧嘩入道は本当に不真面目だな」
朴伝はペリノアに続く距離を走っている
各々が食べ物を机に出す
朴伝は握り飯2つに麦茶
ペリノアはコンビニ弁当3つにコーラ
浄は重箱に1.5リットルのコーラ
(この二人食い過ぎだろ)
朴伝は思う
帰宅中
浄は食料の買い出しを終えて、家に向かう
今日の夕飯はレバニラ炒めと梅茶漬けである
するとゴミ捨て場に人影があった
紫の髪の女子が倒れていた
浄は無視して帰ろうとする
「た、助けて」
少女が呟く
浄はため息一つ
交番に届け帰宅した
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