第11話ゴエティア

廃ビル

「ここに隠れましょ」

アマイモンが言う

「あの白いのは、なんだ?オレンジ髪の女と関係あんのか?」

浄が質問する

普段は余計なことには首を突っ込まないが、もう巻き込まれている

アマイモンが話す

「アレは錬成悪魔、オレンジ髪の女ヘーパイストスが作った悪魔の贋作よ」

「ヘーパイストス?」

「オリュンポスの神の一人、鍛冶師の神様よ」

浄は頭を抱える

(よりにもよって神かよ)

「巻き込んで悪かったわね」

「お前はアイツから逃げてたのか?」

「ええ」

「なんて?」

アマイモンは黙る

「話してもらうぞ

もう何も知らずに襲われるのはご免だ」

アマイモンは神妙な顔で話す

「アタシが狙われてるのは、グリモアのひとつゴエティアがあるから、ゴエティアには悪魔召喚が書かれてるの」

「そのゴエティアがヘーパイストスの狙いなのか?」

「違うヘーパイストスの狙いは、ソロモン王の指輪の作り方、あの女は指輪の作り方がゴエティアに記されてる思ってる

そんなもの書かれてないのに」

「ヘーパイストスはそれを知らないのか?」

「話したわよ

話し続けた

でも、信じなかった

そして、アタシは三千年逃げ続けた」

アマイモンの顔に焦燥の色が浮かぶ

結局悪魔でも強靭な身体を持っていても、心は少女なのだ

そんな少女が三千年逃げ続けた

疲れているではすませれない

「まぁ良いわ、あとアタシに任せて、隙をみて逃げなさい」

「大丈夫なのか?」

「アタシを誰だと思っているの?最強の悪魔アマイモン様よ‼️」

アマイモンは浄に背中を向けて歩きだす

「アンタの弁当、本当に本当にほんと~に美味しかったわ‼️じゃあね」

それが決め台詞だった

アマイモンはビルを出る


しばらくして浄もビルを出て歩いていた

考えていた

自分には何も出来ない

悪魔を助ける人間なんていない

面倒事はこりごりだ

しかし、割り切れない

すると後ろから声がする

「異空⁉️アンタこんな時間に何してるの⁉️」

「シャルロット?」

ジャージ姿のシャルロットがいた

絶氷の異名もつ少女は、体力強化のため走り込んでいたのだ

浄は閃いてしまった

「お前力貸せ」

「は?」

浄は理由を話した

「なるほど、悪魔に鍛冶神ね」

シャルロットは考え込む

「駄目か?」

浄が聞く

「良いわ‼️アンタには借りもあるし、首を突っ込んであげる‼️」

「そうか」

「ところで、その子どこに行ったの?」

「知らん」

シャルロットがため息をはく

「しょうがないわね、ぱぱに聞いたげるわよ」

「お前の父親がどうにか出来るのか?」

「うちのパパ警察幹部だから

ていうかアンタこそ素手でなんか出来るわけ?」

「氷の棍棒作ってくれ」

さぁ手段は用意した

人間の反撃だ


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