第6話神異否定

ガウェインは浄に対して剣を構える

まるで幽鬼のように立つ浄は、眼光だけはいつも通り鋭く、いや明らかに憎悪を宿している

右手の人差し指をガウェインに向け

「よくもやってくれたなテメェ・・・・

テメェの闘争を否定してやる」

それが開戦の合図だった

浄の血が飛び、ガウェインの雄叫びが響いく

拳と剣が交差する

深手や身体能力、太陽の加護によりガウェイン優勢に始まった闘い

しかし、次第に戦況が拮抗していく

ガウェインは混乱していた

(なんだ身体が重い⁉️剣が走らない⁉️それに痛みが癒えない⁉️)

焦っていた

太陽が昇っているかぎり自分は無敵のはずだ

なのに目の前の男の拳が、雄叫びが、何より眼光が怖い

心が動きに現れるように鈍くなる

浄の憎悪が勝る

左のフルスイングがガウェインの顔面を捉えた

鼻が折れ、血が口をみたす

両者息が荒い

「何なんだ貴様⁉️どうして傷が治らない⁉️如何なる術も法則も太陽の加護の前には無力のはずだ!?」

ガウェインが疑問をぶつける

浄はつまらなそうに答える

「今の俺はそういう仕様だ」


神異否定

異空 浄が後天的に授かった権衡

浄が肉体的、精神的に追い込まれた時、本人の意思と関係なく現れる

如何なる神の力、加護、魔法、魔術、呪い、異能力も否定する

まったく違う力に変えてしまうことも可能


ガウェインは震え出す

「ふざけるな‼️僕の太陽の加護がなんの力も持たない凡人に破れるわけがない‼️ガラティーン‼️‼️」

剣に光が集まり、ガウェインが咆哮を放つしかし、光は霧散しだす

「何でだ⁉️どうしたガラティーン⁉️」

「結局お前は、加護と道具頼りのボンクラってことだ」

浄がゆっくりと近く


足軽高校から離れた建物

宮本武蔵は事態を見ていた

「あれが神異否定か

こりゃガウェインの坊っちゃんには相性最悪だわ」

つまらなそうに観察を続けていたが

「これは加勢したほうがいいな」

と動こうとした時、火炎があがる

「うちの生徒にこれ以上危害はやめてもらいます」

武蔵が振り返ると浄たちの担任が立っていた

「ハハハ、そういやお前がいたな

煌皇 新・ハンニバル‼️」

ハンニバルは武蔵に向かい、強大な炎を放つ

それを武蔵は右手から雷を出し相殺する

「今は宮本武蔵と名乗っているのか

菅原道真」

「あ~、バレてたか?」

「高天原からの命令か?」

その言葉に道真は両手に刀を出し、雷を乗せる

ハンニバルも両手に炎を出し構える

炎と雷の頂点が激突する


足軽高校

ガウェインはガラティーンを浄に向かい、連続で攻撃を出す

しかし、まるで切れ味を失くしたかのように剣は肉を通らない

「朴伝以下の剣術で何ができる」

浄のボディーブローがめり込む

「ガッ」

ガウェインは吐瀉物を垂れ流す

そこに容赦の無い追い討ちでボディーブローの連打

一方的な蹂躙

「も、もう止め、止めて」

静止を求めるガウェイン

そして、浄はガウェインを抱えて飛んだ

「ペリノアを足蹴にしたことは許さねぇ」

バックドロップ

頭の割れる音がした

凡人の勝利である

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