驚きの異世界ファンタジー

読み始めると、まず個性の強い美少女主人公(二二歳)が登場し、キャラクター小説かなと思わせます。舞台は架空の世界。イケメンな騎士と出会い、二人で旅をする中で何度もときめきます。ここまでなら普通の物語なのですが。
序盤を過ぎると、いよいよメインテーマである経済が語られ出します。それも「取り入れてみた」というレベルではなく、完全に経済ものになります。また地政学や戦争、アジアの料理や芸術についても語られており、作者様の知識量の深さと、それをファンタジーに落とし込める力量にただただ驚かされるばかりです。
特に詳しく取り上げられているのが「先物取引」についてです。予備知識のない人でも読み進めるごとに理解が深まるように、丁寧に書かれています。
こんなに実社会の知識を与えてくれる異世界ファンタジーってあるでしょうか。
加えて人物、できごとが、最初から最後までモザイクアートのようにきっちりとはめ込まれているため、終盤ではタネ明かしの爽快感も味わえます。
途中まででも「勉強になるなあ」と感じること間違いなしですが、読み始めたらぜひ最後まで読んでほしい作品です。

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