古代文字に秘められた思いを胸に、その文字が秘匿する真実を語り継がんとす

 祖父の影響を受け、古文書を読み解くようになった、この物語のヒロイン・桃矢水晶。ある夜、帰宅途中に遭遇した落雷によって意識を失い、目覚めた時、そこは日本ではない別の世界だった。

 右も左もわからないまま辿りついた先で出逢ったのが……、祖父の残した古書店を守る、アンバーと名乗る青年と、その古書店に取り揃えられていた、古代文字で書かれた、先人たちが遺した『本』だった。
 それに興味を示し、手にしたヒロインが、『本』のタイトルを言葉にする……。

 この物語の世界には、古の文字を読み解く稀有な能力があるのだと言う……。その力を持つ者は、世界の真実を解き明かすことができるのだとも語り継がれていた。

 ヒロインは秘文字読解士という力を使うことで、世界を敵に回すのか? 青年は過去の呪縛から解き放たれ、ヒロインを護り続けることができるのか? 
 さらに……、ヒロインは元いた世界へと戻れるのか?
 そして、ふたりの想いは……。

 それぞれの感情が、物語中に渦巻く。しかし、そのひとつひとつが、少しずつ解き明かされていく時間の流れが素敵な物語である。

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