理性を破壊されたαはひたすらΩの沼に落ちてゆく ひろたけさん
*本作はオメガバース作品です。本編に入る前にオメガバースの基本設定および本作での独自設定について簡単に解説をしております。
αの両親の元に生まれたニカイドウ・アキトは、α同士のカップルから生まれたα、つまり「生粋のα」としてエリート中のエリートとして歩む人生を期待されていた。
大学院で研究者を目指し、日々研究に勤しむアキトのモットーは、「理性的に生きること」。
発情期のΩのフェロモンに反応し、性欲に溺れて獣のように性行為に及んでしまうαの唯一の弱点となる習性も、そのモットーゆえに嫌悪していた。
そもそも、Ωのような社会的に低い階級に属する人間などと関わりをもつつもりもない。同じ人間とも思えなかった。
当然、そんなΩと番を作るつもりなどなく、順当にα同士結婚をし、家庭を築くことこそが幸せだと信じ切っていた。
だが、そんなアキトを指導教授のオカダが新宿二丁目で開く研究室の飲み会に誘いをかける。新宿二丁目とは、番となるべきαを求めΩたちが、そんなΩたちを相手に性欲を満たそうとするαたちが集まる夜の街だった。
その街でアキトはマナベ・ケンシロウという一人のΩに無理矢理クルージングスポットに連れ込まれる。
クルージングスポットとは、不特定多数のαとΩが入り乱れ、性行為を行うための施設だった。誰彼構わず番を得ようとするΩとひたすら性的快感を求めるαが集う場所だ。
ケンシロウの発する強烈なフェロモンの香りアキトの最も重んじて来た理性はなすすべもなく、隠されていた野獣のような性的本能が露わになる。
気付いた時には、アキトはケンシロウのうなじに噛み痕を残し、番が成立してしまっていたのだった。
*本作には差別的表現が含まれますが、物語上必要とされているものであり、作者の思想を反映するものではありません。
*エブリスタ版はこちら↓
https://estar.jp/novels/26000341…続きを読む
目次
完結済 全125話
更新
- オメガバースの基本/独自設定
- 前編
- 登場人物紹介
- 1.Side アキト ーそれは、夜の街・新宿二丁目で突如として振って来た厄災だったー
- 1-1 人は理性的であるべきだ
- 1-2 夜の街
- 1-3 バーMonster Boy
- 1-4 飛び出た本音
- 1-5 クルージングスポット
- 1-6 白く美しいうなじ
- 1-7 成立してしまった番
- 1-8 立ち込めるフェロモンの香り
- 1-9 忘れられない美貌
- 2.Side ケンシロウ ーΩはαを番とし、人生に逆襲をかけるー
- 2-1 勝利の美酒
- 2-2 手のひら返し
- 2-3 新宿二丁目で
- 2-4 見つけた運命の番
- 2-5 不快なα
- 3.Side アキト ー魅かれゆく心と自己嫌悪ー
- 3-1 暗雲の立ち込め始めた将来
- 3-2 「生粋のα」としての劣等感
- 3-3 ケンシロウの元へ
- 3-4 愛くるしい姿
- 3-5 運命など認めない
- 3-6 「幸せ」な人生とは?
- 3-7 怪しまれぬように
- 3-8 ケンシロウを知りたい
- 4.Side ケンシロウ ー呪縛に捕われるはΩも同じー
- 4-1 順調な滑り出し
- 4-2 アキトに嫌われたくない
- 4-3 呪縛はΩにも作用する
- 4-4 「運命の番」とは?
- 4-5 エツコと運命の番
- 4-6 必然だった出会い
- 4-7 アキトを求めて東帝大学へ
- 4-8 卑しい男
- 4-9 厄介なタイプ
- 5.Side アキト ー切れかけた糸ー
- 5-1 眩しすぎるΩ
- 5-2 ひたむきに、がむしゃらに
- 5-3 ケンシロウは渡さない
- 5-4 番がもたらすは癒しの力
- 5-5 可愛いやつ
- 5-6 自慢の運命の番
- 5-7 ゆびきりげんまん
- 5-8 「好き」
- 5-9 研究室の中で
- 6.Side アキト ー運命の番の秘密ー
- 6-1 将来への不安
- 6-2 緊急事態
- 6-3 父の働く病院で
- 6-4 罪を被る
- 6-5 子どもが出来ずとも
- 6-6 心配するな
- 6-7 父との対決
- 6-8 アキト出生の秘密
- 6-9 第二の母
- 6-10 裏社会の現実
- 7.Side ー身勝手なオレー
- 7-1 気にかかる身体の変化
- 7-2 膨れ上がる不安
- 7-3 的中した不安
- 7-4 温かく包み込まれる場所
- 7-5 順調な回復
- 7-6 自己嫌悪
- 7-7 ケンシロウの決意
- 8.Side アキト ー絶対に手放さないー
- 8-1 消えたケンシロウ
- 8-2 恋人を捜して
- 8-3 Monster Boyの片隅で
- 8-4 お互いさま
- 8-5 アキトとケンシロウは一心同体
- 8-6 父との対決
- 9.Side アキト ー奥深く繋がってー
- 9-1 変化したフェロモンの香り
- 9-2 煽って煽られて
- 10.Side ケンシロウ ―出立の時―
- 10-1 若い二人は朝からお盛ん
- 10-2 山村の民宿
- 10-3 善は急げ
- 10-4 もう一つの実家
- 10-5 夢はでっかく
- 11.Side アキト ―しがらみを棄てて―
- 11-1 大学院に未練なし
- 11-2 サチの動揺
- 11-3 山を越え谷を越えて
- 11-4 愛の巣
- 後編
- 登場人物紹介
- 12.Side アキト ―山の暮らしと都会からの誘い―
- 12-1 夏真っ盛り
- 12-2 「運命の番」
- 12-3 アケミの過去
- 12-4 隠し事ばかり
- 12-5 ケンシロウの変化
- 12-6 東帝大学からの電話
- 12-7 息詰まる会議
- 12-8 どいつもこいつも
- 12-9 自分を偽らなくてもいい場所
- 13.Side ケンシロウ ―棄てた家族・見つけた家族―
- 13-1 気になるアキトとアケミの関係
- 13-2 アキトに明かせないアケミの秘密
- 13-3 アキトのために
- 13-4 お人好し
- 13-5 複雑な想い
- 13-6 独りぼっち
- 13-7 突然の訪問者
- 13-8 兄の記憶
- 13-9 独り善がりなアキト
- 14.Side アキト ―兄の想い・恋人の想い―
- 14-1 恋人と兄との狭間で
- 14-2 弟を訪ねて三年間
- 14-3 似た境遇
- 14-4 他人事と思えない
- 14-5 マサヒロの優しさ、アキトの優しさ
- 14-6 新たな訪問者
- 15.Side アキト ―二人の母―
- 15-1 取り決め
- 15-2 頼もしいケンシロウ
- 15-3 自分の問題は自分で
- 15-4 優しすぎるΩの母
- 15-5 運命に翻弄されたαの母
- 15-6 謝り合いっこ
- 16.Side ケンシロウ ―雪解けの時―
- 16-1 よく似た親子
- 16-2 本当の兄の姿
- 16-3 難しい二者択一
- 16-4 ほどけるわだかまり
- 16-5 弟の考えはお見通し
- 16-6 三人揃って川の字で
- 17.Side アキト ―幸せな一夜―
- 17-1 これからも龍山荘に
- 17-4 心と身体の変化
- 18.Side ケンシロウ ―天からの贈り物―
- 18-1 体調不良と不安な日々
- 18-2 まさかの結果
- 18-3 皆を幸せにするケンシロウ
- 18-4 大きくなるお腹
- 19.Side アキト ―新たな命の芽吹く季節に―
- 19-1 いよいよ
- 19-2 二人の息子と母と
- 19-3 もう少し
- 19-4 二人の愛の結晶
- 19-5 調子のいい愛しいやつと
- エピローグ
- エピローグ
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