運命の絆はディストピアをも超えてゆく ~夜の街で奇跡の出会いを果たしたαとΩの物語~

ひろたけさん

オメガバースの基本/独自設定

―基本設定

・第二の性

男女の他にαアルファβベータΩオメガという第二の性が存在する。

人口の約二割を占め、身体的・知能的能力が他の性に勝る。社会的な上流階級に属し、男女ともΩを相手に妊娠させることの出来る能力を有する。

人口の約七割を占め、一般的な身体的・知能的能力を持つ。社会的に一般大衆を形成する。

人口の約一割を占め、社会的に最下層に位置する。発情期を定期的に繰り返し、フェロモンを発することでαを刺激し、暴力的なまでの性交を誘発する。男女ともに妊娠出来る身体的構造をもつ。


つがい

αがΩのうなじに噛み痕を残すことで成立する。番が成立すると、Ωは番となったαの相手に対してのみ発情するようになる。

-運命の番

番の中でも遺伝子レベルで身体の相性が合う番のこと。だが、この運命の番に出会う確率は限りなく低い。出会った瞬間に本能的に互いを運命の番であると認識する。


・検査

十歳前後を目安に、第二の性を確定するための検査が行なわれる。そこで初めて親は子どもがα・β・Ωのどの第二の性を有するのかを知ることになる。


・発情抑制剤

発情期を抑える目的で開発された薬であり、Ωたちは激しい発情期をコントロールするために服用する。




―独自設定

・生粋のα

α同士の夫婦の妊娠率は低く、もし妊娠に成功したとしてもβやΩの子どもが生まれる可能性もある。そのため、α同士の夫婦から生まれたαの子どもは希少であり、「生粋のα」と呼ばれる。彼らはその他のαよりも社会的に一目置かれた存在である。


・番の解消

αは一方的にΩの番を解消することが出来る。しかし、Ωは番を解消されると身体的・精神的ダメージを受け、激しい発情期に苛まれることになる。だが、既に番となったα以外を受け付けない身体になっているため、激しい発情を抑えるには強力な薬に頼らざるを得ず、その薬の強さから急激に身体が老い衰えてしまう。


・Ωと番の関係

Ωは番を設けなければ、年々激しさを増す発情期によって衰弱していき、三十歳前後で命を落としてしまう。しかし、近年は医療の発達により、番を成立させることの出来なかったΩでも長生き出来るような薬が開発されている。ただ、その薬の強力な作用は身体的負担も大きく、老い衰えるスピードが上がってしまう。αたちは若くて美しいΩにしか興味を抱かないため、一刻も早く番となるαを見つけることが急務である。


・婚外子

α同士の夫婦では妊娠率が低いため、子どもに恵まれない場合は往々にしてΩと番を作り、婚外子を設けることが多い。しかし、すでにαの側には配偶者がいるため、Ωは出産後に番を解消されてしまうケースが多い。

番の解消はΩに多大な身体的・精神的負担をかけるため、社会的にはタブーな行為であるとされている。そのため、このような行為は秘密裡に行なわれている。番を解消されたΩからの告発を防ぐため、番は解消するものの、生涯に渡ってΩの金銭的な面倒を見るα夫婦も多い。


・新宿二丁目

番となるαを求めてΩたちが集う夜の街。バーやクラブ、風俗店、クルージングスポットなどが林立している。αたちも性欲を解消するためにこの街を訪れるが、その目的はほとんどが遊びであり、一生添い遂げる番を求めた挙げ句切り捨てられて悲惨な結末を迎えるΩも後を絶たない。


・クルージングスポット

Ω男たちが番となるα男を見つけるために新宿二丁目に存在する裏の世界の施設。Ωはαとの番成立を目論み、α男たちは性欲解消のため、また婚外子を設けるための番を見つけるため、お忍びで訪れる。

だが、安易な番成立や妊娠を防ぐために、施設内でΩが首輪を着用すること、αがコンドームを着用することが義務付けられている。


・売り専ボーイ

新宿二丁目αを相手に身体を売って仕事としている風俗ボーイ。その目的の多くは、身体を売って得られる金の他に番となるαを見つけるためである。


・新宿二丁目のバー

番の成立を逃したり、解消されたΩ男たちが経営している。薬の副作用で老い衰えた姿を奇抜な化粧で隠し、女装をしてカウンターに立つ。αとΩがこうしたバーで出会い、酒を酌み交わした後にラブホテルなどに消えてゆく。


・発情促進剤

発情抑制剤とは逆に、Ωの発情を強制的に発動させる薬。身体的負担が大きく、また、この薬を使用したαとの性交は「フェロモンレイプ」と呼ばれ、法律で禁じられている。新宿二丁目に集うΩたちは違法であることを知りながらも、番となるαを求めて発情促進剤を服用し、αたちを焚き付けようとする者も多い。


・運命の番の呪縛

運命の番とは身体の相性だけではなく、精神的な面でも惹かれ合う者同士が奇跡的に出会った時に成立する。その番の絆は簡単に断ち切れるものではなく、いくら一方的にΩを切り捨てられるαとはいえども、この呪縛から簡単には逃れることは出来ない。心も体も互いを必要とし、離れることの出来ない関係となっていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る