生命力とは他者から与えられるものか。自身から溢れてくるものか。

※4話目までお読みした時点でのレビューです。

私達はファンタジーの世界に住んでいるというわけではありませんが、現実世界にもまた、才能のある人とない人のヒエラルキーが存在しているように思います。

本作は女神から力を与えられた人々が地上に住み、そうでない人は地下でひっそりと暮らすという世界観になっています。

地上に生まれながら何の力も持っていない少女・リアは、地上の人々の蔑視を受けながら地下世界へと送られましたが、力を与えられなかった人々が、苦しみながら地下生活を送っているかというと、決してそういうわけではないようです。

むしろ、プロローグにおける地上の人々の方が、目に見えないものに圧制されて、息苦しく生きているように感じます。

プロローグ章から地底章へと移った途端、人々の開放された生命力を感じるように思いました。
第4話の『楽しい事、悲しい事。それは平等にやって来るのだとすぐに知った。』という一文が印象に残りました。

現代社会もまた、『与えられる人』は生きづらく、『生み出せる人』は生き生きと生きていける。そんなものなのかもしれません。

ストーリーを読み進めていけばもっと深くこの作品を理解し、いいレビューも書けると思うのですが、冒頭4話で感じた登場人物の生命力に、色々と感じるものがあり、レビューをお書きしました。

素敵な作品に出会えて嬉しかったです。

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