美しい街並みをそぞろ歩くような心地よさ

ずぅっとこの場所を楽しんでいたい。
このままずっとここにいたい。
読み終えたときには、旅の終わりのような寂しさを感じてしまいました。

一つ一つの表現が、どこか滑稽で、優しくて、味わい深いのです。
そこにいるものたちが、どうしようもなく愛しい。

でも、ほんとうはそのものたちこそが、私たちを守ってくれているのです。


作者さまはよほど世界の裏側に精通しておられるのでしょう。
でなければ、こんなに短い文章で、こんなに愛しい世界を描けるはずがありません。

ストーリーらしいストーリーはありません。
居心地がよくて、やさしくて、よい香りのするこのテキストは、余分なものは加えず、そのままで味わうのがよいでしょう。

ぼくにとって、とても大切な作品になりました。
きっと何度でも読み返しにくることでしょう。

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