朱鳥の鳴くころ

作者 蒼翠琥珀

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★★★ Excellent!!!

歴史と神仏の息づく古都奈良。
そんな奈良の楽しみ方がコチラです!

鹿にしかせんを配るばかりじゃもったいないですよ!もっと路の裏とかに行ってごらん、そこには思いがけない素敵な出会いがあるかも……?

「奈良といえば」を少し外れた、ニッチな奈良散策。古風かつユーモアたっぷりの語り口にどんどん引き込まれます。
ぜひともみなさん、この"ガイドブック"を持って奈良へ!

★★★ Excellent!!!

ずぅっとこの場所を楽しんでいたい。
このままずっとここにいたい。
読み終えたときには、旅の終わりのような寂しさを感じてしまいました。

一つ一つの表現が、どこか滑稽で、優しくて、味わい深いのです。
そこにいるものたちが、どうしようもなく愛しい。

でも、ほんとうはそのものたちこそが、私たちを守ってくれているのです。


作者さまはよほど世界の裏側に精通しておられるのでしょう。
でなければ、こんなに短い文章で、こんなに愛しい世界を描けるはずがありません。

ストーリーらしいストーリーはありません。
居心地がよくて、やさしくて、よい香りのするこのテキストは、余分なものは加えず、そのままで味わうのがよいでしょう。

ぼくにとって、とても大切な作品になりました。
きっと何度でも読み返しにくることでしょう。

★★★ Excellent!!!

あぁ、修学旅行で?
そうですか。

どんなところを巡られましたか?
なるほど!
代表的な場所ですね。
シカも鹿煎餅は定番、はずせませんよね。
歴史と文化に触れられて良かったと。
それはそれは。

ところでどんな方に会われましたか?
おや。
ガイドさんの説明だけ?

あー、もったいない。
こちらをどうぞお読みになってくださいな。
ちょっとディープでちょっと異次元で、ちょっとだけ不思議な奈良が垣間見えますよ!


★★★ Excellent!!!

初めての電竜に乗ってきた狸さん、最初に見たものは行基オン・ザ・ステージ。肉体派の花形神仏コンビ金剛力士のかみわざを眺め、水竜と戯れ、様々な歴史的建造物を見学し、不思議な店で不思議な人(?)達と出会い、不思議な会話に耳を澄まし………

古より神仏の宿る奈良。狸さん、この旅で何を感じ取ったのでしょう。
この〈おはなし〉の中で、それには触れられていません。でもきっと、この土地に深く魅了されてしまったのではないでしょうか。
そして、これを読んだあなた(私)も。

★★★ Excellent!!!

 こちらの作品は、マジックリアリズムと言う技法で語られる古都奈良の散策記です。
 ちょこちょこと街歩きに興じているのは、狸。
 その後ろを一緒に付いて歩けば、思いがけない奈良の顔が見えてきます。
 
 古より神と仏が多くいる場所。
 たくさんのお寺や言い伝えのある山々に囲まれた地。
 スパイスや昆虫に至るまで、歴史と絡めた思わぬ発見に満ちた散策を楽しむことができます。
 奈良に行ってみたくなる物語。
 是非、皆様も覗いてみてください。

 お勧めです!

★★★ Excellent!!!

おいでませ琥珀ワールドへ!
作者様のこれまでの作品をご存知の方はもちろん、初めてさんの方にも一味違う旅をお約束する不思議旅レポ。それがこの『朱鳥の鳴くころ』です。

主人公は、短足狸?
行基オン・ザ・ステージって何?
阿修羅がアイドルで、菩薩がシチューを食べに来てるって?

もう、どこをとってもユニークな場面ばかりでにんまりしてしまいます。
和洋の古きものと新しきもの、人間と神仏に動物たちまで散りばめて、ミステリーな宝箱を覗いてみたらひっくり返してしまったような感覚。

一度知ったら、きっとくせになります!!

★★★ Excellent!!!

 人の姿に化けた狸が奈良の街にふらりと現れ、街ブラをします。

 狸が名物店で食レポをしたり、奈良の名所を訪れたり、行基菩薩やら仏像を鑑賞したり、人の姿をした狸がトコトコ街を観光している姿がなんとも可愛らしいです。

 ――もし目に映る世界がこのようならば、貴方は神隠しに遭っているのかもしれない。

 ――しかし神はついてくるものを拒まない。

 この不思議な世界が実在するとしたら、それはそれで面白いですね。

 ただし、ご注意を。

 ――それは〈人〉ではないのかもしれないのだから。

★★★ Excellent!!!

たぬきが奈良をうろうろしつつ、そのたぬきを追う視点で、奈良の名所や珍スポットが語られていきます。

奈良のガイドブックにネタ元の写真付きで載せたい一品。

仏像あり、グルメあり、歴史秘話あり、もちろん鹿あり! もうなんでもありの小説で、とにかくたぬきの仕草がかわいいです。

そうとう仏っ飛んだ小説なので、読者の想像力が試されます。私は、奈良テレビの街ブラ番組たぬきロケという設定で楽しみました。