御神刀の付喪神が恋を知る物語

付喪神となって人間の少女の姿を得た鼓御前(つづみごぜん)を中心とした和風ファンタジー。
鼓御前は御神刀から人の身になったばかりで、人間世界にまだ慣れておらず、だからこそ彼女の言動はどこか幼く、愛嬌があります。

それでいて、数百年の時を渡ってきた彼女の『刀』としての本質は変わっていません。
(レビュー時の)最新話の時点では、鼓御前は自身を『人の身をもった刀』として認識しているように読み取れます。
それは、他人との距離感がやけに近かったり、他人から向けられる感情に鈍感なところがあったりと、そうした部分に現れていると思います。
すなわち、鼓御前の人の心への理解が、まだ遠いものと解釈できます。

鼓御前が人の身を得て、人の世で生活する中で、彼女が人の何を学び、彼女を愛する人々とどのように関わっていくのか。
それは、彼女が刀の付喪神として、ひとつの心を形成することに繋がり、そして、恋へと結びつくのでしょう。

これは、刀の付喪神が恋を知る物語かもしれません。

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