セカンドという着眼点

本作の存在意義は、題名通り、ファーストコンタクトではなくセカンドコンタクトを舞台に据えたことです。皆様が感じるように、これは珍しいです。

既にファーストコンタクトを終えているのである程度相通じていて、しかし未知の部分も多い状況です。すると、現実の人間社会と同様に、ある程度知っているけれども深くは知らない人間たちへの不信と偏見が不可避です。

異種文明との接触という定番の設定と、現実に近い感情とが半分ずつ混ざり合って物語が進行します。

そして最後まで読み終えたとき、実は昔から SF は現実の社会を反映させてきたのだから、これは SF の本流に沿っていると気づくのです。